デュアルチャンネル とは?

パソコンで同じ規格・容量のメインメモリー(RAM)を2枚使うことによって、データの処理をより高速化させることができる技術のこと。マザーボードのメモリースロットに2枚1組でメモリーを挿すことにより、デュアルチャンネルとして動作させることができる。

シングルチャンネル時に比べて、デュアルチャンネルの場合はトータルのメモリ容量が同じでも効率的にデータのやりとりが可能になる。たとえば4GBのメモリーを1枚挿しで使用するよりも、2GBのメモリーを2枚挿しで使用する方がデュアルチャンネル化できるためパソコンを快適に動作させることができる。

メモリー容量を増やすことでパソコンの処理を高速化できる仕組みについて説明するとき、よく机の作業スペースが広くなることにたとえられるが、デュアルチャンネル化の場合は作業する人が2人に増えるようなものであり、つまりデータの並列処理が可能になるため高速化できるという仕組み。

メモリーをデュアルチャネル動作させるには条件があり、原則的には同じ規格・同じ容量のメモリーを2枚1組で使用する必要がある。たとえば「DDR4-2133 8GB×2枚」や「DDR3-1600 4GB×2枚」といった具合。ただしメーカーや型番を同じものにそろえる必要はない。

また、メモリースロットを対称使用することが必要があり、「メモリースロットの1番目と3番目にメモリを挿す」「メモリースロットの2番目と4番目にメモリを挿す」といった具合である。正しい箇所にメモリーを挿していない場合はデュアルチャネルとして動作しない。

どのメーカーのマザーボードであっても、普通メモリーのスロットは2箇所・4箇所といった形で偶数設置されていて、マニュアルには「メモリーをデュアルチャネルで動作させたい場合はメモリースロットの1番目と3番目(2番目と4番目)に挿すこと」といったふうに図付きで記載されている。

なお、これらはあくまで原則であり、実際には2GBと4GBの異なるメモリーの組み合わせなど、違う規格・容量のメモリーを2枚1組で使用しても問題なくデュアルチャネル動作することも多く、一方で同じ規格・容量でもメモリー同士の相性によってはまれにシングルチャンネルでしか動作しない場合もある。

そのため、実際にメモリーを挿してみてデュアルチャンネルで動作するかどうかは、やってみないと分からない所もあるが、同じメーカー・型番の製品であれば相性問題が起きることはないので、確実にデュアルチャンネル動作させたければ同じメモリーを2枚一組で購入するのが良い。

また、動作クロック周波数の異なるメモリーを2枚1組で使用してデュアルチャンネル化した場合は、ダウンクロックといって自動的に動作クロックの低い方のメモリーに合わせてもう一方のメモリーも動作する。

なお、メモリーを2枚挿しないし4枚挿してデュアルチャネルにしたところで、体感的にはパソコンの動作速度が劇的に向上するわけではないが、ゲームプレイなど3Dグラフィックの描写や、高解像度の動画ファイルの編集など大量のデータを扱うときにはデュアルチャンネル化の効果が顕著に表れやすい。

特にCPU内蔵グラフィックスを使用してパソコン画面をモニターに映し出す場合は、CPU内蔵グラフィックスがメモリーと連動して処理を行なう際に大量のデータ転送を行うため、デュアルチャンネル化することでデータ帯域幅が広がり映像性能の向上において恩恵を受けやすい。

3~4枚一組のメモリーを使用するトリプルチャネルやクアッドチャネルも存在するが、たいていのパソコンのマザーボードには2~4箇所のメモリースロットしか用意されていないため、これらは高級なマザーボードを搭載したハイエンドマシンでのみ利用できるものである。

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