TDP(熱設計電力) とは?
日本語に訳すと熱設計電力で、Thermal Design Powerの略。CPUをはじめとするパソコン上の集積回路における、設計上想定される最大放熱量を表す。言い換えれば、CPUが使用率100%でフル稼働している状態での最大放熱量を表す。単位は W(ワット)を使用する。
TDPの数値(ワット数)は、その集積回路がフル稼働したときの最大消費電力と同じと考えてよい。実際にインテルなどのCPUメーカーでも、このTDP(熱設計電力)の数値を、CPU最大動作時の消費電力とほぼ等しい値として公表している。通常は、処理能力が高いCPUほど電力を多く消費するため、TDPも高くなる。
熱設計電力と言っても、この場合の”電力”が意味するのは文字通り電力そのものというより、むしろ熱出力と読み替えた方がわかりやすい。自作PCなどにおいて、パソコンにどの程度の冷却能力を持たせる必要があるかは、このTDPの数値を見て決定する。
具体例をあげると、インテル製の「Core i7-8700K」というCPUは、TDPが95Wと公表されている。つまり、このCPUを使用率100%でフル稼働させたとき、100Wの白熱電球よりも少し低い程度の消費電力と発熱になるということである。
なのでパソコンを自作する際にTDPの値が大きいCPUを選びたい場合は、冷却性能の高いCPUクーラーや通気性の良いケースを用意する必要があり、逆にCPU以外のパーツ構成があらかじめ決まっている場合は、許容できるTDPの上限に注意してCPUを選ぶ必要がある。
たとえば小型のPCケースを使ってパソコンを組みたいときは、冷却能力の小さいクーラーしか取り付けられない場合が多いので、CPUはTDPが小さめのものを選び、大型のケースで組みたいときはサイズの大きい空冷ファンや水冷など冷却能力の高いクーラーが取り付けられるので、TDPの高いCPUを選べるといった具合。