シェアウェア とは?
ソフトウェアのライセンス形態の一つ。一般のパッケージ販売されている有料ソフトウェアとは異なり、ライセンス購入前に無料でダウンロードして一時的に試用することが可能で、継続して使用したい場合や機能制限をなくしたい場合に送金し対価を支払う仕組みのソフトウェアを指す。
ソフトウェアによっては試用版では一部機能が制限されていたり、設定されている試用期間が終わると機能が制限される場合もある。
”シェアウェア”という呼称の由来は、「開発者とユーザーとで開発に必要なコストを分担(シェア)する」という意味から来ており、「開発者が一般ユーザーにも利用できるようにソフトウェアを共有する」「ユーザー間でソフトウェアを共有する」といった意味ではない。
またその性格上、趣味や副業による個人開発のソフトウェアが多いと思われがちだが、近年では中小企業による営利目的での開発の方が多くなっている。
多くのシェアウェアは、対価が支払われるまでの試用版では一部機能が制限されているほか、試用期間が終了すると一部機能が制限されたり全く使用できなくなるものもある。これらの試用版は、いわゆる”体験版”と呼ばれることが多い。
機能制限の程度は様々で、通常使用の範囲では何の問題もない程度の制限もあれば、単にそのソフトウェアの操作感をテストできるだけで利便性が皆無の場合もある。
またシェアウェアの中には、送金による機能制限解除によって試用版(体験版)とは全く異なるバージョンの製品として動作するものも存在し、これらは特に”キーウェア”と呼ばれる。
一方、試用期間が終了してもほとんど機能制限がなく実質的にそのまま使い続けられるものも存在するが、これを実際に行うとライセンス違反である。
参考までに、シェアウェアの機能制限としてよく見られるものを以下に列挙しておく。
- 一部の利便性の高い機能が使用できない
- 起動の際に毎回一定の待ち時間を要求したり未送金である旨を表示する
- 作成物の保存や印刷などができない
- 一定の試用期間または起動回数を超えると使用できなくなる
- 作成した画像やPDFに開発元企業のロゴなどを強制的に上書きする
なお、シェアウェアの中には一切の機能制限が施されないものもあり、これらは”ドネーションウェア(カンパウェア)”と呼ばれ、継続使用に対価を求める通常のシェアウェアとは明確に区別されており、送金は任意である。
この場合は「試用版」という概念がなく、未送金のまま使い続けてもライセンス違反とはならない。ちなみに「ドネーション」は英語で「寄付」という意味。
- ※
日本国内では「秀丸エディタ」などがシェアウェアの定番として古くから広く知られており、品質や完成度が高く商用の有料パッケージソフトと同等ないしそれ以上の機能を持つソフトが存在する。
他方で、決して利便性が高い・高機能とは言えないものも少なからず存在し、有料にも関わらずバグ修正などのアフターサポートを全く行わないということもあるなど、「シェアウェアだからフリーウェアより良い」とは限らないので注意が必要である。
近年では、インターネットを通じた支払いや送金方法が以前よりも選択肢が増え簡単になったことから、もともとはフリーソフト・フリーウェアとして個人や企業が無償配布していたものが、バージョンアップ等によって途中からシェアウェアの形態に切り替えられる事例も多い。
こうしたソフトウェアが「今まで無料で利用していたソフトなのに、ある日突然、継続使用に対価を求められた」など、ユーザーの混乱を招くこともある。