IE8レビュー!大幅に高性能化したInternet Explorer 8のRC版を使ってみた!
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投稿 2009/01/27
更新 2019/12/24
Microsoftから、「Internet Explorer」の最新バージョンとなる「Internet Explorer 8」(IE8)のリリース候補版(RC版)がリリースされました。現在、MicrosoftのIE8リリース候補版(RC版)ダウンロードセンターから入手可能となっています。
リリース候補版(RC版)の内容は、Microsoftからは最終リリースである正式版とほぼ同じとされており、事実上の「IE8の完成」と考えて差し支えないでしょう。Microsoftは、今回リリースされたRC版をテストしたユーザーからのフィードバックを受け、正式版としてリリースを妨げる支障(バグ)が発見されたら修正し、特に問題がなければ「正式版リリース」という形になります。
IE8の新機能としては、WEB閲覧履歴を残さない「プライベート閲覧モード」に代表されるようなプライバシー機能の充実や、「アクセラレータ」と呼ばれる新たなタイプのアドオンの搭載などがあります。また、セキュリティの大幅な強化なども行われていて、クロスサイトスクリプティング攻撃対策フィルタやマルウェア対策フィルタなども新機能として実装されています。
IE8 RC インストール
1、では、早速インストールを始めます。
2、「次へ」をクリック
3、インストール開始。時間がかかるので、しばらく待ちます。
4、ようやくインストール終了。10分程度かかりました。インストールが終了したらPCを再起動。
早速、使ってみた!
まず、第一印象は
今までも、IE8β版がリリースされていましたが、実は一度も使ったことがなく、IE8のインストールは今回が初めてになりました。外観はIE7と少し違ったものになっていますね。そして、しばらく使ってみた第一印象としては、IE7よりもはるかに良いものになっているということです。
まず、起動や動作はIE7に比べて格段に軽快になっています。私の環境(XP)では、IE7は起動や動作が非常に遅く、ほぼ毎回と言っていいほどの頻度で突然のフリーズなどの不具合を起こし、その度にタスクマネージャーを開いて強制終了させるという対応を強いられていたため、イライラして使い物になりませんでした。
今回リリースされたIE8 RC1では、そのような現象は全く見受けられません。1時間ほど使ってみましたが、IE7に比べて非常にサクサクと動作します。起動も動作もスムーズで、ストレスを感じることは特にありませんでした。また、JavaScriptエンジンなどの改良によって、WEBページの読み込み、描写速度も飛躍的にアップしています。
Firefoxをメインのブラウザとして使っていますが、Firefoxユーザーの視点から見ても今回リリースされたIE8 RC1は、従来のIE7のように、実用性という点で大きく見劣りするものではなくなっています。FirefoxやOpera、Google Chromeなどといった先進的なブラウザに、ずいぶん追いついてきたと感じました。
IE8の新機能に関して
プライバシー保護機能
まず、「プライベート閲覧」について。「メニュー」→「ツール」→「InPrivate ブラウズ」と開くと、新しいウィンドウが開き、閲覧履歴を残さないプライベート閲覧が有効になります。このあたりは、一足先に同様の機能を搭載したGoogle Chromeの「シークレットウィンドウ」と同じですね。
プライベート閲覧が有効になっているウィンドウでは、アドレスバーの横に、このように「InPrivate」と表示されるので、一目で分かるようになっています。
また、他にもプライバシー保護機能の充実は見受けられました。
例として、このように「ツール」から簡単に閲覧履歴を削除できるように改良されています。従来は、わざわざ「インターネットオプション」を開かなければならなかったため、初心者には分かりにくく面倒なものでしたが、このように改良されたことによって閲覧履歴を削除するための敷居が大幅にさがり、プライバシー保護という観点では従来よりもずっと良いものになっています。
タブの復元
従来は、複数サイトをタブ表示している際にあるタブが異常終了するとすべてのタブが終了する場合がありましたが、IE8では「自動クラッシュ復元機能」により、そのタブだけを終了し他のタブには影響を及ぼさないようになりました。
また、突然のクラッシュにより強制終了してしまった場合でも、再起動した際に、直前まで開いていたタブを可能な限り復元できるようになっています。実際、一時間ほど試しに使ってみて一度だけクラッシュして強制終了してしまいましたが、再起動した際に上のようなウィンドウが開き、「直前のセッションを復元」を選択すると、元に戻りました。
その他
IE8に搭載された新機能は、その他にも「アクセラレータ」や「Web Slices」などありますが、とりあえず試してみたところでは上記のような具合です。これだけ見ただけでも、従来のIE7よりも格段に良いものに進化しています。メインのブラウザとして使うものとして十分な機能が備わったと感じました。
WEB標準への準拠
IE8について、個人的に最も気になっていた(心配していた)のが、WEB標準への準拠についてです。従来のIEは、WEB標準への準拠が不十分だと長年の間広く批判を受けてきました。従来のIE6やIE7は、WEBページのレイアウトを決定する「CSS」などを正確に読み取ってくれないため、「FirefoxやOperaではレイアウトが正しく表示されるが、IEでは崩れてしまう」という現象が起きてしまいます。
実際、当サイトでも同様の現象が起き、IEで閲覧すると少々レイアウトが崩れてしまいます。IE7はまだマシですが、IE6に至っては酷いものです。
この現象は、WEB製作者を悩ませている大きな原因です。「どのブラウザで見ても同じレイアウトで表示される」というのは一見して当然の事のようにも思えますが、WEBページを製作する側にとっては、これは一筋縄ではいきません。この問題は「WEBページを製作するにあたって最大の悩み」とも言えます。このためWEBデザイナーなどの負担が大きくなってしまうのです。
今回リリースされたIE8 RC1ではこの問題は随分と改善されたようです。FirefoxやOperaと比べても、おおよそ差異のないものになっています。IE8が正式にリリースされ、将来IEにおけるシェアのほとんどがIE8に移行すれば、WEB製作者の負担は大きく減ることになりそうです。
結論
今回リリースされたIE8 RC1を使ってみた感想としては、上記のように従来のIE7と比べて大きく改善されています。個人的に期待していた程度の改良はされていると感じました。安定性もそれほど悪くないので、IE7を使っている人はアップデートしてみても良いかもしれません(まだ正式版ではないので、あくまで自己責任ですが)。ただし、しばらく使ってみたところどうやらまだバグはあるようです。正式版のリリースは、おそらくもう少し先になるでしょう。