あなたのFirefoxの起動や動作を重くする7種の有名アドオンまとめ
Firefoxアドオン
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投稿 2011/02/06
更新 2020/01/26
Firefoxの起動や動作が一般的に重いと言われる原因のひとつに、アドオンの存在があります。Firefoxが世界中の多くのユーザーから高い支持を得ているブラウザである最大の理由として、アドオンによる便利な機能の追加や、それによるカスタマイズ性の高さが挙げられる一方で、Firefoxを手放す最大の理由も、アドオンの詰め込みすぎなどに起因する起動や動作の遅延から来るストレスであるとも言われています。
そんなFirefoxアドオンですが、星の数ほどの種類が公開されている中で、実際に多くのユーザーに支持され使われている、いわゆる”メジャーなアドオン”として広く認知されているものは、ほんの一部と言えるでしょう。このような人気の高いアドオンの中には、Firefoxの操作性を向上させるものや、セキュリティ確保の目的で導入されるものなど、さまざまな便利なアドオンが存在しますが、おおよそ共通して言えることは、”高機能である”ということです。
しかしこのようなアドオンには、当然ながら高機能である反面、動作が重かったりクラッシュしやすいという特徴もあります。Firefoxを高速で軽量なブラウザに保ちたいなら、思いきって今まで使ってきたアドオンを捨ててみるのも有効な手段と言えるでしょう。そこで今回は、世界中で多くのユーザーに支持されているメジャーなFirefoxアドオンの中から、とりわけ動作が重いと言われ、Firefoxを遅らせる原因となりやすいアドオン7種類を紹介します。
Tab Mix Plus
最も人気の高いFirefoxアドオンのひとつ。Firefox本体の設定だけでは限界のあるタブのコントロールが自由自在に設定でき、ユーザーから絶大な支持を集めている「Tab Mix Plus」ですが、これさえあればタブに関する機能設定は万全と言えるほど非常に多機能であるがゆえに、「インストールしたらFirefoxの動作が重くなった」という声も多いアドオンです。
タブブラウザであるFirefoxの根幹とも言えるタブ機能を統合して管理するために、ほかのアドオンと競合して不具合が出やすい傾向にあるという一面もあり、Firefoxをクラッシュさせる原因にもなりがちです。それでも手放せないユーザーが多いのは、”自分の思い通りの操作性を実現できる”というポイントが大きいと言えるでしょう。
そんな一長一短のある「Tab Mix Plus」ですが、タブに関連するさまざまな設定が可能な中で、どのような設定が自分にとってベストであるかはユーザーによって千差万別ですが、ほとんどのユーザーが、自分の思い描いた操作性を実現するために、このアドオンの機能のほんの一部しか使っていないのもまた事実です。
タブの操作をカスタマイズできるアドオンは「Tab Mix Plus」以外にも数多く存在します。Firefoxの起動の遅さに不満を感じているなら、「Tab Mix Plus」のようにオールマイティーなものではなく、あえて一部機能に特化したアドオンを探してみるのも良いのではないでしょうか。
Greasemonkey
Firefoxユーザーにはおなじみの”グリモン”。ユーザースクリプトによって指定したウェブページを自在にカスタマイズすることができ、このアドオンの存在が理由でFirefoxを手放すことができないというユーザーもいるほど、非常に人気の高いアドオンですが、同時に数千種類も存在すると言われるFirefoxアドオンの中でも1,2を争うほど非常に動作の重いアドオンでもあります。
ユーザースクリプトが実行されるとページの読み込みが通常よりも遅くなったり、使用するスクリプトによっても読み込み時間が大きく変わってくるのは言うまでもありませんが、注意しておきたいのは、アドオンが有効化されているだけで、ユーザースクリプトが実行されていないページの表示にも普通よりも時間がかかるということです。
また、Greasemonkeyにはセキュリティ上の未解決の脆弱性も多いと言われており、過去にもウェブサイトがユーザのコンピュータのHDD内のファイルにアクセスする可能性を許容するものや、任意のサイトへ勝手にHTTPリクエストを送信されるもの、ユーザースクリプトの設定値の読み書きが行われたりする危険性があるものなど、さまざまな脆弱性が繰り返し見つかっています。
このように、便利な反面問題点も多いアドオンであることや、サイト運営者の中には自分のサイトのレイアウト等がユーザースクリプトによって任意に書きかえられることを懸念したり、好ましく思わない者も少なからず存在することはユーザーの視点からは盲点になりがちですが、ぜひ知っておきたいポイントです。
Adblock Plus
有名な広告ブロックアドオン。ウェブの閲覧中に広告を排除してしまいたいと考える人は多く、この「Adblock Plus」こそが数あるFirefoxアドオンの中でも圧倒的に人気NO.1とされています。しかしながら、同時にGreasemonkeyと並んでFirefoxを最も遅くさせるアドオンの一つでもあります。
というのもこのアドオン、単に広告の表示をブロックするだけでなく、マーケティングエージェンシーやパブリッシャー側が自社サイトに仕込む、訪問者のブラウジング履歴などの情報追跡を無効にする機能も備えられており、サイトに広告があるかないかにに関わらず、Firefoxにインストールして有効化しているだけで常にマシンのリソースを多量に使用しているという側面もあるからです。
確かに、ウェブ広告は多くの訪問者にとってサイト閲覧の邪魔になり、また余計なHTTPリクエストやダウンロードサイズを増やすなどページ描写を遅らせる原因にもなりますが、一方でそれをブロックするためのツールを導入したところで、それ自体がブラウジングを遅らせているという事実は案外見過ごされがちではないでしょうか。
閲覧者にとっては、広告があるよりもない方が快適にサイトを閲覧できることは言うまでもありませんが、広告をブロックすることが必ずしも効率の良いウェブブラウジングを実現するとは言えないのかもしれません。
IE Tab
Firefox上でIEのエンジンでサイトを表示することができるアドオン「IETab」。IEのシェアが急激に減り続けているにも関わらず、いまだにIEにしか対応していないサイトも少なくないという現状を考えれば、わざわざIEを開かなくてもFirefox上で手軽にIEのエンジンを利用できるメリットは大きいと言えるでしょう。
また、IEはウェブブラウザ全体の中でもかなりのシェアを占める一方で、FirefoxやOperaなど他のメジャーブラウザに比べて、ウェブページのレイアウトを決定するレンダリングエンジンの性能が劣っていることでも有名なブラウザでもあります。
IE8以降、IEのレンダリングエンジンも以前のバージョンに比べて大幅に改良されていますが、それでもまだまだ古いバージョンのIEのユーザーもウェブブラウザ全体の中でかなりのシェアを占めていることから、ウェブマスターにとって自分のサイトのレイアウトをIEで正確に表示されるかを確認することは必要不可欠とも言えるでしょう。
そんなサイト製作者泣かせのIEですが、「IETab」なら自分のブログやサイトのレイアウトをIEのエンジンで確認するといった用途にも使えるため、Firefoxユーザーのウェブマスターにとっても非常に便利で人気の高いアドオンです。
このようにさまざまな用途に非常に役に立つ「IE Tab」ですが、便利な反面、Firefoxの起動や動作が重くなるのがネックとなって敬遠するユーザーも少なくないようです。結果的には、必要なときにだけIEを開くという選択肢を選ぶ方が効率的で、ストレスを感じることも少なくなるかもしれません。Firefox上でのIEエンジンの使用頻度がそれほど高くないのであれば、無効化しておくのが良いでしょう。
noScript
ホワイトリスト方式で許可したサイト以外でのJavaScriptの実行を制限できる「noScript」。ここで紹介している他のアドオンと比べて、「noScript」自体はそれほど多機能なアドオンというわけではありませんが、「重さ」という点では引けをとりません。非常に人気の高いアドオンで、予期しないブラウザクラッシャー(通称ブラクラ)などの対策などにセキュリティーアドオンとして導入している方も多いのではないでしょうか。
ただし、セキュリティー面においてはブラウザクラッシャー対策としての役割以外では、通信時に機密データを送信する場合を除き、JavaScriptを無効化することによって得られるメリットはほとんどありません。また、ブラウザの未解決の脆弱性においてJavaScriptを無効化した場合のみにセキュリティーホールが発生するという事例があることも見過ごされがちです。
Firefoxの動作が遅くなる原因になる一方で、アクセスするサイトによってはJavaScriptの実行を制限することでページの読み込みが大幅に短縮される場合もありますが、以上のような理由や、FirefoxのオプションからもJavaScriptを無効化することも可能であることを考えれば、わざわざFirefoxの動作を遅らせてまで「noScript」を使用する意義はそれほど大きくはないかもしれません。
余談ですが、JavaScriptの実行を制限するサイトをブラックリスト方式で登録できるYesScriptというアドオンも存在します。
Firebug
Firefox使いのウェブデザイナー・ウェブデベロッパーにはおなじみの「Firebug」。仕事ではなく、単に趣味でサイト制作をしている人の中にも使っている人も多いでしょう。HTMLやCSSのコーディングにはとても便利なツールですが、高性能であるが故にやはり重いのが欠点です。
中には、「Firebugが使えるから、ブラウザはFirefoxを選ぶ」というサイト制作者も少なくないかもしれませんが、普段からウェブを巡回するためのメインブラウザとしても使用しているなら、使わないときは無効にしておくのが賢い選択かもしれません。
Googleツールバー
一見そうでもないように思われて、意外なことに非常に重いのがGoogleツールバーです。「誰もが使っている」と形容されるようなメジャーなFirefoxアドオンの中でも、Googleツールバーが実は三本の指に入るほどの重さであることはあまり知られていません。最近では、空白タブによく訪問するウェブサイトのサムネイルを表示する機能などが新たに追加され、以前よりもさらに重くなったという声も聞かれます。
ウェブの利用においてGoogleサービスへの依存度が強いユーザーにとっては手放せないアドオンではありますが、Firefoxの起動の遅さに悩まされているなら、必要な機能だけに特化した別のアドオンへの乗り換えを考えてみても良いかもしれません。
また、ウェブマスターの中にはGoogle PageRankを確認するためだけにインストールしている方も多いのではないでしょうか。Googleツールバー以外にもPageRankを確認できるFirefoxアドオンがないわけではないので、そういった目的だけのためならGoogleツールバーではなくそちらの利用をオススメします。