マイクロソフトのBluetoothキーボード「Bluetooth Mobile Keyboard 6000」レビュー!
買ったものレビュー (ハードウェア・PC周辺機器)
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投稿 2010/10/21
更新 2019/12/25
今回は、マイクロソフトの薄型パンタグラフBluetoothキーボード「Bluetooth Mobile Keyboard 6000」を購入してみました。このキーボードの特徴な点として全体の形がカーブ状になっており、それに伴い一部キーの形が独特なものがあったり特殊キーの配列が変則的なところがあるほか、薄型軽量化を重視しているためテンキーだけがセパレートになっているなど少し個性の強いキーボードですが、メインで使用するキーボードとしても十分に耐えうる使用感を確保している一方、持ち運びできるほどのコンパクトさも兼ね備えているというなかなか魅力的なキーボードでもあります。
まだBluetooth専用機器は非対応の機器と比べて選択の幅は広くありませんが、最近はPCだけでなくiPadをはじめとするタブレット端末のほか、iPhoneやAndroidといったスマートフォンなどBluetoothキーボードの活躍の場が増えるとともに、その需要も以前と比べて高まってきているようです。そこで今回は、薄型軽量で扱いやすく、PC・モバイル機どちらにも適したお勧めBluetoothキーボードということで「Bluetooth Mobile Keyboard 6000」をレビューしてみたいと思います。
箱はこんな感じ。
箱の裏はこんな感じ。「人間工学の専門家がデザインしたコンフォートカーブキー配列」、「最大13ミリの超薄型コンパクト設計」と書いてあります。
キーボード本体。カーブ状のデザインには個性がありますが、作りはしっかりしていて質感はなかなかよく、見た目もすっきりしているのでインテリアとしては悪くありません。キー周辺の枠部分がラバーコートされていて手触りも良いと思います。キータッチは若干硬めで音は静か、ストローク(キーの深さ)はパンタグラフとしては普通。全体的な打鍵感は上質なノートPCのようで良好です。
中央部が扇形に広がっているため、G・H・B・Nキーのサイズが大きくなっています。実際のブラインドタッチでは、この部分の変則的なサイズはほとんど気になりませんが、Nキーの幅が広いせいでMキーが少し右に押されているような感じで、このあたりは少し慣れが必要かもしれません。その他の部分(特殊キーは除いて)は、カーブ状のデザインのおかげで手首を自然な位置に保てるので、一般的な形のキーボードよりも打ちやすいと思います。
Deleteキーが縦長なので、位置的にBackspaceやEnterキーと間違えそうになる人もいるかもしれません。音量調整キーが付いているのは少し変わっていますが、便利ですね。
それほど頻繁に使用する部分ではないので、あまり気になるわけではありませんがカーソルキーのサイズが小さく細長い、Shiftキーが小さいなど、枠の中に無理矢理全てのキーを収めようとした感があります。
キーボードの裏面はこんな感じ。表向けたとき奥が若干高くなるように上部が盛りあがっていますが、多くのキーボードに付いているような折りたたみのチルトスタンドはついておらず、これだけでは高さを調整できないのは好みが分かれるところでしょう。
電池を入れてみたところ。写真では少し分かりにくいですが、電池が奥の方に深くカチッとはまるので、取り出すときに一苦労します。小型の単四電池であることも手伝って無理に指で取り出そうとすると爪を痛めてしまうため、ペン先など尖ったもので引っかけてやる必要がありかなり面倒。幸い電池の持ちは悪くないので頻繁に取り出す必要はありませんが、デザインや質感が良いだけに少し心残りなポイントです。
電源スイッチはかなり小さいので、使用する度に電源を入切するのは面倒そうです。しばらくキーを入力しないと省電力のためにスリープモードに入るので、自宅や職場でのメインキーボードとして使用するなら常時スイッチオンにしておいても良いかもしれません。
スイッチを入れると、バッテリーステータスインジケーターがしばらくの間緑色に点灯します。電池寿命はマニュアルにはメインキーボード5ヶ月、テンキーが10ヶ月となっていますが、実際には3ヶ月持つかどうかと言ったところでしょう。電源スイッチを入れっぱなしで1日数時間も使用すると、2週間ほどで完全に切れてしまいそうです。
メインキーからから独立したテンキーは1つのキーボードとして扱われるため、本体とは別途ペアリングする必要がありますが、NumLockをオフにすればリモコンのようにカーソル操作することもできるので、姿勢を崩してファイラーやビューアなどで画像を見たりするときにはなかなか便利ではないでしょうか。ちなみに、このテンキー単体でも販売されています。
テンキーの裏面はこんな感じ。電源スイッチや電池挿入部などの構造は本体とほぼ同じ。電池の取り出しにくさも残念ながら全く同じです。滑り止めのゴムはきちんと付いているので、小さく軽いからと言ってキー入力中に机上で滑ってしまうことはなさそうです。
注意したい点は、Bluetooth規格の仕様のためしばらくの間(体感で10分ほど)キー入力がないとスリープモードに入り、キーを入力しても復帰に数秒かかります。復帰までに入力した文字はある程度バッファリングしてくれますが、キーを入力しても画面に反応がないので不便に感じる人も多いかもしれません。またiPhoneやiPadでは現時点においては仕様により複数のキーボードを同時にペアリングすることができないため、メインキーとテンキーの両方を同時に一台の端末でペアリングすることはできないようです。
全体的に見ると、電源スイッチの大きさや電池の取り出しにくさなど細い部分に改善の余地はありますが、本当に持ち運びできるほどのコンパクトサイズ、上質なノートPCのような入力しやすいキータッチなど、選択肢の少ないBluetoothキーボードの中ではかなり良好な部類に入ります。コンフォートカーブと呼ばれるマイクロソフトの高級キーボード独特のカーブ状デザインは好みが分かれる点ではありますが、手首の角度を自然に保つことが出来るおかげで、長時間使用してみると意外なほど手の疲れが軽減されるのが実感でき、実用性は非常に高いと思います。
スリープモードからの復帰に時間がかかるのはBluetoothの仕様である以上どうしようもない点ですが、入力中の遅延や誤反応は全くなく、きびきびと反応してくれるのでそれほどストレスを感じることもないでしょう。価格設定が一般的なワイヤレスキーボードと比べて少し高いのがネックになりそうですが、Bluetoothキーボードとしては最良の選択肢の1つではないでしょうか。