Windows 10搭載PCが5000円で買える!?楽天やAmazonの激安中古パソコンはどんな人におすすめ?

中古PC 約8分で読めます 投稿 2019/10/17 更新 2019/11/18

Windows 10搭載PCが5000円で買える!?楽天やAmazonの激安中古パソコンはどんな人におすすめ?

一般に、パソコンはメーカー製の既製品を新品で購入しようとすると、現在の最新バージョンのWindows 10をストレスなく快適に動かせる程度の性能のものであれば、最低でも5万円程度~の高額な予算が必要になるのは、周知の通りです。

自作PCでも最新のパーツをそろえると、ローエンドでも最低でも数万円は必要になりますね。一昔前は、メーカー製の既製品を買うよりも自分でパーツごとに購入して組み立てる方が安上がりだった時代もありましたが、近年はむしろ高くつくようになってしまいました。

一方で、一般にはあまり知られていることではありませんが、楽天市場やAmazonマーケットプレイスなどのネットショップで中古販売されているパソコンの中には、5000円程度~の低予算で購入が可能な激安でまともに使えるパソコンがあるんです。

リース上がりの数年前のデスクトップ型はとても安い!

こういった激安中古パソコンのほとんどが、NECや富士通、Dell、HP(ヒューレット・パッカード)といった大手パソコンメーカー製の、いわゆる”リース上がり”と呼ばれるもので、かつて企業や役所などに業者からリース(長期間の有料レンタル)されていた製品が最流通した商品です。

リース期間を終えて不要になると通常は専門業者によって廃棄処分されますが、廃棄処分するにしても数十台以上の規模ともなると、かなりの費用を負担しなければなりません…。そこで、代わりにそれらを中古パソコン業者に異常なほど安く買い取らせる形で、合法的に市場に横流しされることがあります。

このような経緯で中古市場に流通しているのが、いわゆる”リース上がり”の激安パソコンの正体で、販売業者によって清掃された後、不具合のある部品を良品に交換したり、Microsoft社から正規のライセンスを取得し直しWindowsを再インストールして、リノベーション(修復・再生)されたものが、おおよそ5000円~といった非常に安い価格で販売されていることが多いようです。

これらは過去に企業や役所に長期レンタルされていたものが再流通した製品のため、比較的新しいモデルであっても、そのほとんどが4、5年前~と製造時期がやや古いのが特徴で、また基本的には事務作業向けのパソコンなので、ゲーム用途などハイエンドな性能を求めるものではありません。

数年前のローエンドモデルでもまだまだ使える!

そうは言っても近年のパソコンの性能であれば、そこに数千円程度の費用を追加投入してHDDをSSDに交換したり、メモリ搭載量を増やすなど、自分で必要なパーツを購入して簡単な改造をしてやれば、まだまだバリバリ快適にストレスなく最新版のWindows 10を動かすことが出来ます!

一昔前であれば、パソコンの性能の進化が今よりもずっと速かったため、4~5年前のローエンドCPUなんて安かろう悪かろうで使い物にならない、「安物買いの銭失い」でしたが、近年のパソコンであれば全くそんなことはありません。

例えばIntel社の最も安価なCPUであるCeleronであっても、わずか数年前のモデルであれば、3Dグラフィックのゲームプレイや動画編集のような高負荷な処理を求めずに、事務作業やウェブブラウジングをする程度であれば全く問題なく快適にWindows 10を使うことができます。

楽天市場で売られている激安デスクトップPCの例

実際に、筆者も楽天市場やAmazonマーケットプレイスを通して、こういった”リース上がり”の激安パソコンを、5000円や10000円といった低価格で購入したことがありますが、動画編集やゲームなどハイエンド機にやらせるような負荷の重い処理を実行したり、過剰な期待をしなければ、普段使いには何の不満もなく快適に使えています。

また、こうした中古品の一つの特徴に、ハードディスクの容量やCPUの性能、メモリ搭載量などによって数千円~数万円と値段の幅が広いことがあげられます(ただし、その価格差の内訳のほとんどがCPUの性能による傾向があります。CPUの値段は新品でも数千円から数十万円とピンキリなので…)。

たとえば、IntelのCore i7など製造当時のハイエンドCPUを搭載しているものは、数万円もの値が付いている場合もありますが、さすがに4、5年以上も前のちょっと古いパソコンに数万円も出してしまうと、なんと言っても安さが魅力(と言うより安さだけが取り柄)の”リース上がり”の中古品なのに、価格面であまり旨味がなくなってしまうので、それくらいなら最新のパーツを搭載した新品を買う方がいいかもしれませんが…。

一方で、CeleronやPentiumといったIntelのローエンドCPUを搭載したモデルであれば、ちょっと古いとは言え、先述のように5000円~10000円程度の低予算で購入できることも多いので、コストパフォーマンス面ではとても大きな魅力がありますね!

Google Chromeでブラウジングを楽しんだり、年賀状を作成したり、ワードやエクセルでの文書作成など事務的な作業であったり、フルHD(1920×1080)画質のBlu-rayディスクを再生するような、いわゆるパソコンを”普通に使っている”限りでは、これくらいの性能で十分快適に使えます(さすがに4K動画の再生とかはグラフィックボード等を増設しないと厳しい場合もありますが…)。

そういった意味では、今まであまりパソコンに触れたことがなくて、入門用に安いやつを買ってみよう!という人だったり、小学生くらいの子供の学習用に1台買い与えたいとき、メインに新しいパソコンを使っているけど乱雑に扱っても気にならないような安いのがサブでもう1台ほしい…などの需要にはピッタリかもしれませんが…。

安くても初心者には扱いが難しい

ただし、結論から言うと、パソコンの知識がほとんどないような初心者には、いくら安くても、それほどおすすめはしません。なぜなら、こうした激安販売の中古品には当然ですが動作不良などのトラブルも多く、また近年のパソコンには搭載されているのが当たり前の、無線LAN(Wi-Fi)やBluetoothや、画面出力のためのHDMIポートすら付いていないのが基本です。

こういった激安中古品を購入してもトラブルや不具合で苦にならないのは、主に自作PCに興味があったり、各種パーツの知識が多少なりともある人になってきます。そうでない人にとっては、たとえば電源が上手く入らないなどのトラブルが起こっても、その原因の見当が付かなければ、パソコンに詳しい知人に視てもらうとか、最悪使用をあきらめざるを得ないケースも出てくるかもしれません。

もっと言えば、こうしたパソコンをストレスなく快適に使えるようにするには、メモリ増設などちょっとした改造が前提です。さすがに5000円ともなると、搭載メモリはたいてい2GB~4GB程度で全然足りませんし、HDDはジャンク品に近いような使い古したものが搭載されている場合がほとんどです。

CPUについては耐久性が高いので、処理速度を求めなければCerelonなどちょっと古くなった安物でも問題ありませんが、メモリー不足の問題だけはどうしようもないので、普通に使うには追加で数千円投入して最低限メモリを6~8GB程度に増設し、できればHDDもSSDに交換したいところです。

となると、購入した中古品に自分で手を加えてある程度パーツ構成を変更したり、Windowsを再インストールする程度の知識はどうしても必要になってきます。メモリを増設したいけど購入した中古パソコンに合うメモリの型番がわからない、Windowsの再インストールのやり方がわからない…では困ります。

もちろん、分からないことは調べれば済む話ですが、多くの人にとって「数万円~十数万円で最新式の新品を購入するのに比べて、その十分の一くらいの価格で数年前の中古品を買うことができれば、色々調べたりトラブルに対処する時間や労力を考慮しても、トータルで得か?」と言われると、かなり微妙です。

実際、パソコンのパーツを調べて購入し増設・交換したり、ちょっとしたトラブルに対処することなんて、今時ウェブサイトやYouTubeをみれば情報はいくらでもあるので、たとえ全くの初心者でもそれほど難しいことではありません。

なので時間さえあれば誰にでもできることですが、そうは言っても時間はどうしてもかかるので、購入を勧められるのはインターネットで調べごとをするのが好きだったり、知識のない分野で障害に対処するのが苦でなく、それも含めて楽しめる余裕のある人に限られます。

また「パソコンの知識はないけど、そもそも激安なんだから、うまく動作すればラッキー!だめだったら諦めよう」くらいの感覚で買ってみるのもアリかもしれませんが、そういう人は多分、中古品なんて買わないでしょう。

安さだけが魅力の激安”リース上がり”中古品ですから、コストパフォーマンスを最優先する人向けの商品です。数千円以上の出費を簡単に諦められるような人は、そもそも十分な予算があるはずなので、あえてケチって中古品を選ぶ必要はありません。

中古のパソコンを買うときに知っておきたい注意点!

あくまで中古品とは言っても、まだまだ使えるパソコンが激安価格で購入できるのは、それなりの理由があります。販売業者がスタッフの人件費を抑えるため、動作確認や清掃のレベルが甘いことも、珍しくありません。トラブルは付きものです。筐体も傷だらけなのが普通です。

どこかに不具合があっても、「値段を考えれば当たり前」と思って冷静に対処できる人だけ購入しましょう。実際に購入した際は、たとえきちんと動作しない部分があっても、「まあ、そういうものだ」と理解した上で、販売店に連絡して交換や返金を依頼しましょう。

クレームまがいの強気な言い方は止めましょう。故障品が送られてきたら頭に血が上るような人にはおすすめしません。そういう人は、サポートの厚い家電量販店などで、きちんとお金を払って新品を購入するのが良いでしょう。

どこかしらのパーツが故障していたり、内蔵のボタン電池が消耗しきっている商品が送られてくることも珍しくありません。販売業者が必ずしもきちんと動作確認しているとは限りませんし、症状によっては交換・返金の保証対象外であったり、そもそも”ジャンク品”という形で販売されている場合は、一切の保証がないこともあります。どこか不具合があっても自分で対処できる程度の最低限の知識は必要です。

繰り返しになりますが、値段が安い分トラブルがあるのは当たり前です。激安中古パソコンの取り柄は、安さだけと思ってください。ヤフオクやメルカリ等で購入するのと同じで、何の保証もありません。楽天市場やAmazonに出品している販売実績のある業者であれば、わざと不良品を送ってくるようなことは基本的にないと思いますが、ノークレーム・ノーリターンが原則になります。

ちなみに筆者が過去にこうした激安中古パソコンを3回ほど購入していますが、そのうち一台はCOMSのボタン電池が完全に切れていた上にマザーボードのコンデンサが劣化していて電源が上手く入りませんでした。また、もう一台は動作は正常なものの筐体は傷だらけで機械が焦げたような異臭がする、もう一台は清掃がいい加減でそのままでは埃だらけで使えないような状態でした。

マザーボードの故障については、さすがに不良品レベルなので販売店に連絡したところ、運良く良心的な業者だったため返品送料を負担してもらった上で交換対応してもらうことができましたが、海外(とくに中華系)の業者も多い世界なので、まともに話が通じないなど、泣き寝入りせざるを得ない場合も多いと思います。

リース上がりに多いBTOパソコンの特徴

また、こうした”リース上がり”として出回っているの中古パソコンには、BTO(Built To Order)といって企業業務向けに受注生産されたモデルが多いのが特徴です。CPUやメモリ容量など用途に応じてカスタマイズした上で一括大量受注されるのを前提としているモデルです。

このため、中古で出回っているものは同じ型番のパソコン(例えば「Dell Optiplex 3020」など)でも一つ一つ搭載CPUやメモリ容量などが異なり、ローエンドからハイエンドまで様々なパーツ構成があります。そのぶん価格の幅も5000円~数万円とかなり広くなっています。

また、後からグラフィックボード等を増設してゲーミングPC用に改造したいと思っても、こうした企業業務向けBTOパソコンの中古は、ケースが小型筐体で電源ユニットも非力なモデルが多いため拡張性に乏しく、希望のパーツが取り付けられないことも少なくありません。

よくある企業向けBTOパソコン。スリム筐体のモデルが多く内部スペースが狭い。

なので購入前に、搭載されているCPUの型番、ハードディスクやメインメモリーの容量といった基本的なパーツ構成だけでなく、筐体内部のスペースに十分な余裕があるか、必要なインターフェースは備わっているかなど、あらかじめ調べ尽くしてから、最適なモデルを選ぶ必要があります。

また、一般的に家電量販店などで販売されているパソコンには、近年は無線LAN(Wi-Fi)やBluetoothが内蔵されているのが普通ですが、こうしたモデルの多くは、基本的には無線LANチップもBluetoothもHDMIポートも付いていません。必要な場合は自分で外付け(USB接続)のパーツを使用するなり、変換ケーブルを購入して対処しましょう。

CPU性能に関しても、4、5年くらい前のものなら大丈夫ですが、さすがに10年近く前のローエンドCPUともなると、最新のWindows 10を動かすには厳しいものがあります。購入前に搭載CPUの型番をチェックして、最新のWindowsを動かす程度の処理能力があるかどうか、あらかじめよく調べておきましょう。

結局、どういう層におすすめなの?

以上のような理由から、激安で買える中古パソコンは「安いから誰にでもおすすめ!」とは言えません。筐体の傷や汚れくらいなら中古でも全然気にしない、安いのが1番!という人は多いと思いますが、それだけでなく動作上のトラブルや不具合も付きものなので、それに対処できる自信のない人には、残念ながら扱いがちょっと難しいところがあります。

普段それほどパソコンを扱わないけれど試しに安いのを買ってみたい…というような人には激安中古パソコンはなかなかハードルが高いので、それよりも4~5万円程度で手に入る廉価なモデルを新品で購入した方が、きちんとしたユーザーズマニュアル(取扱説明書)や販売店のサポートも付いているので安心して使えることでしょう。

結局のところ、激安中古パソコンというのは扱いに色々と面倒なところがあり、トラブルに対処する労力やそのために必要な時間を考えると、コストパフォーマンス面で十分に旨味があるのは、もともとパソコンの扱いに長けていて自作PCやパソコンのパーツにも興味があったり、ハードウェアの知識がある人に限られるのかもしれませんね。

逆に言えば、仕事でいつもPCを使っている人が低コストで追加で何台か導入したい場合や、ちょっと自作パソコンに興味があって時間もあるけど、まだ学生だから資金がない…という中高生くらいの人、自分で勉強してちょっとでも安くゲーミングPCを組んでみたい!という人にとっては、自作PC用のパーツを買い集めるよりも安く入手できるので、入門用としてとてもオススメです。

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