ハードオフとブックオフの関係とは?運営会社は別だがパクリではない?

中古PC 約2分で読めます 投稿 2019/10/20 更新 2019/10/27

ハードオフとブックオフの関係とは?運営会社は別だがパクリではない?

パソコン好きの人ならみんな知っているハードオフ。ジャンクPCや中古パーツが安く買えるお店として有名ですね。日本全国の都道府県で店舗展開しているので、自作歴の長いPCユーザーなら、ほとんど誰でも一度は足を運んだことがあるといっても過言ではないかもしれません。

ところでこのハードオフ、中古本チェーンのブックオフと名前もロゴもそっくりです。一般にはブックオフの方がCMで知名度が高いですが、合同店になっている店舗もあるので、ハードオフはブックオフの系列店だったり同じグループ企業の運営と思っている人も多いのではないでしょうか?

ハードオフとブックオフは全く別の会社

あまり知られていませんがこの2店、実際には全くの別企業です。ハードオフコーポレーションは山本善政さんが、ブックオフコーポレーションは坂本孝さんがそれぞれ創業した会社。名前や企業ロゴは似ていますが、会社の経営自体は何の関係もなくグループ企業でもありません。

じゃあ、どういうこと!?ブックオフがCMで有名になったから、ハードオフはブックオフをパックったの?と思うわけですが、そういう訳でもありません。名前もロゴもそっくりそのままなのに関係のない別の会社って、いったいどんな背景があってそうなったのでしょう。

実はハードオフとブックオフを創業した山本善政さんと坂本孝さん、そもそも友人関係にあったそうです。もともと新潟県でオーディオ専門店「株式会社サウンド北越」を経営していた山本善政さんが、中古ピアノ販売業をやっていた坂本孝さんと同業者の懇親会で知り合ったのがきっかけでした。

現在のハードオフも中古PCやゲーム機だけでなく楽器やオーディオ製品も取り扱っていますが、それもそのはず、ハードオフの前身は現在は会長に退いた山本善政さんがやっていたオーディオ専門店だったんです。ただし、当時の店は今のような中古ではなく通常の新品を取り扱う小売り業でした。

ところが大手家電量販店の売り上げが増す中で、小規模なオーディオ専門店の経営に限界を感じていた山本さん。「これからは中古ビジネスのほうが良いかもしれない」と考えていたちょうどその頃、たまたま雑誌で知人の坂本さんが展開するブックオフの記事を見つけたそうです。

ブックオフ創業者との協力で生まれたハードオフ1号店

1号店となったハードオフ新潟紫竹山店

坂本さんとの再開でリサイクル業に活路を見出した山本さん、さっそく地元の新潟市内にハードオフ1号店を開店します。実はこのときの1号店が、坂本さんのブックオフとのコラボ店。「せっかく共同経営するなら見た目もそろえよう」ということになり、現在のハードオフのロゴが生まれました。

坂本孝さんがブックオフコーポレーションを設立したのが1991年、その影響もあって友人だった山本善政さんが中古品ビジネスに鞍替えし、ブックオフとのコラボでハードオフ1号店を開いたのが1993年。ハードオフとブックオフのロゴがそっくりなのは、こうした創業時のいきさつによるものだったんです。

その後も両社で互いの株式を持ち合ったり、互いが互いのフランチャイズ店を運営するという深い関係に。ハードオフとブックオフのFC店が同じ建物の中で合同店舗になっている場合も多く、消費者からしたらハードオフもブックオフも会社の区別がつかない状態が続いていました。

しかし、2007年にブックオフの坂本さんが経営を退いたことや、その後ブックオフが独自に中古家電製品の取り扱いを始めたことで両社は競合し、完全に別の会社として袖を分かつことになります。

ハードオフがブックオフFC店を運営し、一方でブックオフもハードオフFC店を運営する。そんな関係にも終止符が打たれ、ブックオフコーポレーションによるハードオフFC店は姿を消しました。

ところが、現在もハードオフコーポレーションによるブックオフFC店だけは残っています。

ハードオフコーポレーションといえば、中古PCやオーディオ製品を取り扱うハードオフ以外にも、中古玩具の買取・販売を行うホビーオフ、中古自動車用品の買取・販売を行うガレージオフ、古着や中古ブランド品の買取・販売を行うオフハウスなど様々な店舗形態を持っていることでも知られます。

いろいろな中古品を取り扱うのが理念のハードオフグループとしては、両社の関係が以前のようではなくなった今も、中古本の分野の事業としてブックオフFC店の運営を続けているというわけですね。

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