ロジクールのDarkfieldレーザー搭載ワイヤレスマウス「M905」レビュー!
買ったものレビュー (ハードウェア・PC周辺機器)
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投稿 2010/10/13
更新 2019/12/25
今回は、ロジクールのDarkfieldレーザーセンサー搭載のワイヤレスマウス「Anywhere Mouse M905」を購入してみました。このマウス、ロジクールの各種ラインナップの中でもモバイル向けとしては最上位モデルという位置付けになっており、ガラステーブルの上でもマウスパッドなしで快適に使用できるなどの機能的な優位性だけでなく、デザインや高級感においても他のモデルとは一線を画したものになっていて、参考価格も8,980円とかなり高額な部類に入ると思います。
ロジクールのマウスでは一応これよりも上のモデルとして、同じくDarkfieldレーザーセンサーを搭載したパフォーマンスマウス「M950」もありますが、実際にショップで両者を手にとって試してみたところ、デザインや質感、手に持った時のホールド感やクリック音など多くの部分でM905の方が気に入ったほか、価格的に見てもこちらの方がコストパフォーマンスが優れているように感じられました。
というわけで、今まで使っていたマウスの調子が悪くなったこともあり、新しくロジクールのM905に買い換えたので、おすすめマウスとしての紹介の意味も兼ねて、早速レビューしてみたいと思います。(最近こんなレビュー記事ばかりですが、他に良いネタがないので年内いっぱいはこんな感じで乗り切ろうと思っています…)
箱はこんな感じ。ロジクールのマウスのパッケージはどれも似たり寄ったりですが、安価ものと比べるとハイエンドモデルらしく少し高級感のあるものになっています。
箱の裏はこんな感じ。「そのマウス、場所を選ばず。」とキャッチフレーズにもあるように、ガラステーブルの上でも快適に操作できるというDarkfieldレーザーセンサーの搭載が強調されているのが目に付きます。ガラス面のごくわずかな凹凸さえも正確に読み取るとのこと。
箱を開けてみたところ。中に入っているのは、マウス本体と小型レシーバー、キャリングケース、保証書、取扱説明書など。
取扱説明書と一緒に、簡単な活用ガイド、ドライバーCDが入っていました。ドライバーはロジクールのホームページからもダウンロード可能です。
キャリングケースのファスナーを開けてみると、単三アルカリ電池が2本入っていました。このキャリングケース、質感はなかなか良く作りもしっかりしていますが、実際にマウスを入れてみるとサイズが少し小さいため、強く押し込みながら無理矢理フタを閉めるような形になってしまいます。
マウス本体。ハイエンドモデルらしく洗練されたデザインで非常にかっこよく、ホイール周辺の金属部分も含め全体的につや消しされているので変なテカりなどがなく、高い質感を醸し出しています。クリック音は少し大きめですが”カチッ”というしっかりした音が出て、「ぽこぽこ」という感じの安っぽさは一切ありません。
もともと持ちやすい形状をしていますが両サイドのラバー部分のおかげでホールド感もなかなかよく、またサラサラした手触りなので少しくらいなら汗をかいてもべたつきません。デザインや性能だけでなく、実際の使い心地も細かいところまで気が利いています。
ボタンがいくつも付いているような多機能マウスをはじめ、高額なマウスは基本的に右手用にデザインされたマウスが多い中で、このマウスはほぼ左右対称なデザインになっており左利きの人でも比較的扱いやすいと思います。
左サイドにカスタマイズ可能なボタンが2つ付いており、手の大きさにもよりますが特に違和感なく自然に使用できます。デフォルトでは「戻る」「進む」機能が割り当てられており、ドライバーCDをインストールしなくても使用可能。
ホイールは金属製で作りしっかりしています。通常スクロールと高速スクロールを切り替えることができ回し心地もよく、ドライバーをインストールすれば水平スクロールも可能。さりげなく配置されている「Darkfield」の文字がかっこいい。
普通のマウスはスクロールホイールを押下することでミドルクリックとして機能しますが、本マウスの場合はこれで通常スクロールと高速スクロールを物理的に切り替える構造になっており、スクロールホイールを押下してもミドルクリックの役割は果たしません。代わりに、ホイールの後ろに付いているボタンがデフォルトではミドルクリックになっており、ブラウザでリンク先を新しいタブで開くなどミドルクリックを頻繁に使用する人は少し慣れが必要です。
裏はこんな感じ。センサーを覆うフタがスイッチを兼ねていて、スライドして開けると電源が入るようになっています。センサー付近にゴミがたまることなく、開けやすくサッととスイッチが入れられて良いと思います。
電源は単三電池を2本使用。電池を入れるとずしっとした重量感があり、高級感が増したような印象を受けます。電池の持ちについては、Darkfieldセンサーの搭載に起因しているのかそれほど良い方ではなく、1日数時間の使用で2週間ほど。不満はありませんが、単三電池2本の使用を考えるともう少し長持ちしてもいいような気がします。
電池寿命は半減しますが、電池は1本でも使用可能なので2本入れで重いと感じたらこちらの方がいいかもしれません。1本だと重心がずれて違和感があるのではないかと思っていましたが、実際に使ってみるとそれほど不自然な感じはしませんでした。もちろん、2本の方が安定はします。
フタを開けてみたところ。Darkfieldレーザーセンサーと言っても、見た目は普通のレーザーセンサーマウスと大きな違いはなく、不可視光線なので目に当たっても問題ないようです。精細なトラッキングが可能なマウスとして、センサーに青色LEDを採用したマイクロソフトの「Blue Track」も有名ですが、ガラス面でも使用できるのはDarkfield以外ではまずない利点です。鏡の上でも試してみたところ、反応はしますが操作は困難でした。
レシーバーはかなり小さく、ノートPCのUSBポートに挿したままでも邪魔になりません。最近のワイヤレスマウスはどこのメーカーでも同様の小型レシーバーを採用していますが、本機は1つのレシーバーで複数のマウスやキーボードを使える”Unifying”に対応しているのが利点です。ただし、キーボードは今のところ選択肢が少ないので実際にはあまり恩恵を受けられない気もしますが…。
レシーバーは、このようにマウスの電池のカバーを開けると本体に格納できるようになっています。マウスを持ち運ぶ場合はPCに挿したままでも問題なさそうなので、持ち運び時よりもむしろ収納するときにレシーバーと一緒にしまっておくことが出来るというのが便利なのではないでしょうか。
スイッチを入れると、LEDランプが10秒間ほど点灯します。カーソルの追従性や解像度は非常に良好で、カクカクした感じが全くなく細かい動きまで十分スムーズに反応してくれます。操作性でのストレスを感じることはほとんどなく、思った場所にスッと動かすことができ無線のハンデをほとんど意識することなく使用できます。Darkfieldセンサーの搭載によりどのような面でもマウスパッドを用意する必要なく快適に使用できるのも大きなアドバンテージです。モバイル用無線マウスではあるものの、ゲーミングマウスとしても何とか耐えうるレベルと言っていいかもしれません。
付属ソフトウェアのSetPointはこれと言って特徴はありませんが、水平スクロールを使用したい場合や、サイドのボタンをカスタマイズしたい場合には必要。嫌いならインストールしなくても良いと思いますが、ボタンのカスタマイズはかなりアプリ毎に細かい設定が可能なので、生産性アップのためには入れておいた方が良さそうです。
マウスカーソルやスクロースの移動スピード、水平スクロールなどひととおりの基本的な設定は簡単にできるようになっています。
電池残量の確認も可能なので、ゲームで使用する場合にはソフトウェアは必須。マウス用ソフトウェアとしては動作が重かったりCPU負荷が高いなどあまり良い評判を聞かないSetPointですが、最近の性能の良いPCならば特に問題はないはずです。
というわけで、デザインや性能どれをとっても非常に良いマウスです。今回は、事前に店頭でいくつものマウスと比べながら十分に検討した上で購入を決定したので、このレビューに不満が書かれていないのは当たり前ですが、マウスらしいシンプルな使用感と多機能性を併せ持っており、モバイル用途に限らずどのようなシチュエーションにもオススメしたいマウスです。
また先述のように、普通のマウスと違ってスクロールホイールの押下がミドルクリックとして機能しないという特徴があるため、ミドルクリックを頻繁に使うなら少し慣れが必要ですが、高速スクロールは使ってみると意外と便利な機能で、ミドルクリックに関する違和感をカバーしうるものだと思います。また、デフォルトでミドルクリックになっているスクロールの後ろのボタンが押しにくいなら、SetPointを使って比較的押しやすいサイドボタンにミドルクリックを割り当てるというのもアリではないでしょうか。
ネックになる点は、参考価格8,980円とマウスとしてはかなり高額な部類に入るため、たかがマウスにこれだけの金額を支払うことができるかどうかですが、Amazonなどでは6000円ほどで販売されているので、それくらいならコストパフォーマンスを考慮しても生産性アップのために投資する価値は十分にあると思います。