中古のPCモニターはコスパが良いは嘘?やめた方がいい理由
中古PC
約4分で読めます
投稿 2023/10/17
更新 2023/10/18
デスクトップPCのモニターを選ぶとき、「モニターは中古を買うとコストパフォーマンスが良い」と言われるのをよく見かけます。モニターは長く使えるものであり、基本的には直接手に触れるものでもないので、あえて新品を購入しなくても中古でも十分という考え方が根底にあるのだと思います。
最近はスタンダードな性能のモニターなら新品でも1万円前後から購入可能で一昔前に比べるとずいぶん安くなりましたが、メルカリやヤフオクで購入できる中古のモニターならさらに安く、フルHD画質のモニターならだいたい5000円前後から購入できるので確かに一見コスパが良いように見えます。
ですが、筆者としては個人的には中古のモニターは多くの場合コストパフォーマンスが良いとは言えない、むしろ悪いと言ってしまった方がいいと考えています。今回はモニターの寿命=耐久性の観点から、その理由を考えていきたいと思います。
- この記事の目次(もくじ) -
モニターの寿命は5~6年くらい
まず知っておいて欲しいのがモニターの平均的な寿命で、時間にすると1万5000時間~3万時間くらいが目安と言われています。もちろんメーカーやモデルによっても品質が変わってくるので、この数字は大まかな目安でしかありませんが、もっと短く1万時間程度で故障する場合も少なくありません。
年数にすると、毎日使っているモニターならば5~6年程度を目安に故障の可能性が急激に高まってくると考えるのが妥当なところです。筆者の経験からしても、この目安はおおむね正しく、今まで5台の液晶モニターを寿命で故障させた経験がありますが、どれも新品購入してから普通に使っていて7年以内には壊れています。
筆者の場合は毎日PCを使ったりたまにゲームもするのですが、毎日10時間以上もモニターを点灯させているようなことはなく、せいぜい一日数時間程度の使用なのですが、それでもやはり5~6年を目安に不具合が出てくるので、実際は1万5000時間も使わないうちに壊れているような気がします。
寿命によってモニターにどのような不具合が出てくるか症状は様々ありますが、おそらく最も多いのが電源回路のコンデンサーが寿命を迎えて機能しなくなるパターン、次に映像処理に関わる制御基板の半導体部品の寿命や液晶パネルそのもののが寿命を迎えるパターンでしょう。
いずれにしてもどこかの回路が1つでも壊れたらモニターは使えなくなる訳ですが、モニターって実は酷使や経年劣化によって故障する可能性のある箇所が色々とあって、決して一度買えば十年単位で長く使えるようなものではありません。所詮は消耗品に過ぎないと考えて購入するべきなのです。
中古モニターの多くは使い古されて販売される
さて、ヤフオクのようなオークションサイトだったり、メルカリのようなフリマアプリには毎日のように多くの中古液晶モニターが出品され売買されていますが、その内容を見てみると、出品されているのは少なくとも5年程度は使用されたものであるケースがほとんどです。
上述のようにモニターの多くが5~6年程度を目安に故障の可能性が高まってくることを踏まえると、要するに寿命を迎えて不具合が出てくる前に正常動作品として高い値を付けて売り払ってしまって、自分は新品のモニターに買い換えようと考える人が出品しているものがその中心であることがわかります。
数年以上も使い古された中古モニターなど、たとえ正常動作していたとしても、新品価格が1万円程度とすればせいぜい2000~2500円くらいの価値しかないと思うのですが、実際のところフリマアプリでは少なくとも5000円以上の値段を付けて販売されているものばかりです。
これ、果たしてコストパフォーマンスが良いと言えるのでしょうか?いえ、決してそうではなく、むしろこんなものを買ってしまったらコストパフォーマンスは最悪の部類と言った方が正しいのではないでしょうか。だって、その多くはもうすぐ壊れるものなんですから。
5年前に新品購入して使い込まれた中古モニターを買ったとして、そこからさらに5年使えるようなことはまずないと考えるべきで、それを買うくらいなら新品モニターを購入した方がよほどコストパフォーマンスは良いのです。
どうしても予算がなくて新品モニターの購入が難しい場合は、中古で購入するならそのモニターの製造時期はいつ頃で、どの程度の時間使い込まれたものであるのか、最低限これだけは欠かさず確認するようにしましょう。メーカーによってはモニターの裏に製造年月が記載されているので、買うならせめて2~3年以内に製造されたものを選んでください。
ただしフリマアプリ等に出品する販売者側も、寿命が近いことを知っていながら壊れていないうちに高く売りたい人が大半なので、合計使用時間がどのくらいかを聞いたところで正直に答えてくれないことも多く参考になりません。
なので製造時期や発売日という客観的に間違いのない情報をチェックするのがよく、もしモニターに製造時期の記載がなければ、そのモニターの発売日はいつであるか購入前に調べるようにしましょう。発売日が古く、5年以上も前に製造された可能性のあるモニターは避けるのが無難です。
モニターは新品で買って数年使ったら売るのがコスパ最強
一方で、使い古したモニターをヤフオクやメルカリの中古市場で販売している多くの出品者がやっているように、PCモニターは新品で購入して5~6年程度使ったら、壊れないうちに正常動作品として新品価格の6割程度の価格を付けて売ってしまうのが一番コストパフォーマンスが良いのです。
モニターの寿命がどの程度であるのか知識がないと、5年程度の使用ではまだまだ使えるだろうと考えてしまいがちで、新品価格の6割~5割程度ならば気にせず購入する人は多いようです。実際に自分でモニターを壊した経験がないと、所詮は消耗品だという意識があまり持てないのかもしれません。
あくまで筆者の個人的な意見になりますが、モニターはPCパーツの中ではハードディスクの次くらいに壊れやすい、消耗品中の消耗品です。中古品の目先の安さに釣られて、新品購入から5年以上も経過したようなモニターは決して購入するべきではありません。
逆に言えば、売る側としてはもうすぐ壊れる可能性の高いと知っているものを新品価格の6割程度の値段で買ってくれる人が中古市場には大勢いるのですから、これほどおいしい話もありません。新品を購入するための資金を半分程度まかなえるのですから、実質的に新品モニターを半額程度で購入できることになり、コストパフォーマンス最強です。
そんなこと知らずに買わされてしまう側はたまったものではありませんが、これはもう仕方がありません。知識がないというのはそういうことで、壊れる寸前のものと知らずに騙されて高く買わされてしまうわけです。
巷では「PCモニター買うなら中古品がコストパフォーマンスが良い」なんて言われることがあるのですが、全くおかしな話です。「中古のハードディスクはコスパが良い!」なんて言う人は滅多に見たことがありませんが、なぜかモニターになると言う人が多くいる。
ハードディスクならば使用時間が新品購入時からずっと内部に記録されていき数値を改ざんできない仕組みになっているので、たとえ中古で購入するにしても、どの程度酷使されたものなのか客観的な情報の開示をあらかじめ求められるのでまだ良いのですが、モニターは調べようもないので、ある意味中古ハードディスクよりたちが悪いのです。