Appleの完全ワイヤレスBluetoothイヤホン「AirPods」レビュー!
買ったものレビュー (イヤホン・ヘッドホン・オーディオ)
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投稿 2017/03/11
更新 2020/01/01
今回購入したのは、Appleの完全ワイヤレスなBluetoothイヤホン「AirPods」です。左右が独立した完全ワイヤレスBluetoothイヤホンという分野は、スウェーデンのベンチャー企業から世界で初めての製品が発売されてまだ1年くらいと歴史が浅いですが、はやくも大手のAppleが殴り込みをかけてきた形ですね。
筆者も完全ワイヤレスイヤホンは他社製品を以前に購入したことがあって、その利便性や快適さは十分に知っているので、AppleからAirPodsが出ると知ってすぐに購入を決めたのですが、あまりにも人気ですぐには入手できず、このたびヨドバシで予約して数ヶ月待ってようやく購入することができました。
今までの完全ワイヤレスイヤホンは、十分に実用レベルではあるものの、通信の安定性やバッテリーの持ちなど細かい部分を見ていけば課題がまだまだ多い製品ばかりだったのですが、今回のAirPodsはなんと言っても品質には徹底しているApple製品なので、完成度の高さでは頭一つも二つも抜けている印象です。
箱はこんな感じ。近年のApple製品に共通するデザインのかっちりした白い箱です。写真では伝わりませんがAirPodsのプリントがある部分は凸になっていて盛り上がっています。
箱の裏面はこんな感じ。ケースが充電器になっていることが図でわかりやすく示されていますね。
箱を開けるとこんな感じ。これもiPadなどApple製品ではおなじみの「Designed by Apple in California」の文言ですね。
開けてみるとこんな風にAirPodsが入っていました。付属品は書類一式です。MacBookやiPadには入っているAppleロゴのステッカーは入っていません。
よく見ると箱の底に充電用のLightningケーブルが入っていました。iPhone用などと同じ通信も可能なケーブルのようですが、AirPodsのケースのLightning端子は充電のためだけに設けられているようです。
ケースの素材は硬めのプラスチックです。見たところiPhoneやiPadに付属しているあの白い充電器と同じ素材のようです。使っているうちに細かい傷はつきやすいかもしれません。
充電器を兼ねたケースのフタを開けてみたところ。バッテリーの充電状態によってLEDランプの色が変わります。iPhoneやiPadなら、このフタを開けるだけでAirPodsの通信を認識してくれます。
AirPodsのデザインは2012年に登場した有線イヤホンのEarPodsを踏襲しているようですね。ネット上では「耳からうどん垂らしている」なんて揶揄されていますが、EarPodsのケーブル部分だけを排除したようなデザインと考えると不自然と言うほどではないような気がします。
さて、実際使ってみてどうかと言うと、まず何よりもさすがApple製品だなと感じました。筆者は今までにも完全ワイヤレスイヤホンを使ったことがあるのですが、まだまだ新しい分野の製品なので、バッテリーの持ちや通信の途切れなど、課題が山積しているものばかりでした。このAirPodsはそんな課題がすべて解決されています。
iPhoneやiPadとBluetooth接続して使っていて、音楽を聴いている途中に通信が一瞬途切れたり左右のイヤホンで音がずれたりといったことが全くありません。有線イヤホンと同じ感覚で、ストレスなく普通に使えます。これは本当にすごいことで、時間と開発費をかけて、品質を徹底的に煮詰めてから世に送り出したということなのでしょう。
バッテリーに関してもカタログスペックの公称値通り長時間持ちますし、イヤホンをケースから取り出した状態で音楽を聴かずにしばらく放置しているとあっという間に充電が切れてしまうようなこともありません。この辺りも従来の完全ワイヤレスイヤホンの課題だったのですが、しっかりと解決されています。
完全ワイヤレスイヤホンという分野に対してユーザーが不満を持ちそうな品質問題がほとんど全部と言って良いほど解消されているので、何のストレスもなく普通に使えるイヤホンに仕上がっています。これには本当に驚きましたし、値段なりの価値は十分にあるレベルの完成度の高いBluetoothイヤホンだと感じます。
音質に関しても、現状の完全ワイヤレスイヤホンとしては高音質と言って良いレベルです。ただ、形状が有線のEarPodsに似ているので、それに近いくらいの音質を期待していたのですが、さすがにEarPodsほどの音質ではありませんでした。解像度や音抜けの良さなど、どこを見てもEarPodsの音質と比べればワンランク落ちる印象です。
ですが、まだまだ完全ワイヤレスイヤホンで高音質を実現しているモデルなど他社製品を見ても少ないので、その中ではAirPodsはトップクラスに高音質と言って良いのではないかと思います。1年ほど前に筆者が購入した世界初の完全ワイヤレスイヤホン「EARIN」もかなり音質が良く驚いたのですが、AirPodsはそれに全く劣りません。
少なくともAirPodsの音質は有線の数千円クラスのイヤホンと比べても遜色ないレベルのものではあるので、外出時にカジュアルに音楽を聴くような使い方をする範囲であれば、十分にリスニングに耐えられる音質です。よほど音質にこだわりのある人でなければ、聴いていて不満を感じる程ではないでしょう。
また装着時のフィット感については、EarPodsがうまくフィットする人であれば問題ないと思います。AirPodsはEarPodsよりも少しだけ大きいですが、筆者の場合は装着したままジムでランニングしたり頭を強く振っても耳からはずれてしまうことはありませんし、ずれることすら全くありません。
左右がコードでつながっていない独立型なので紛失を心配する人は多いと思いますが、少なくとも装着していてうっかりはずれて何処かに行ってしまうようなことはほどんどないので、その点は深く考える必要はありません。使っていないときはケースにきちんとしまうように習慣づければ、片方だけ紛失することはそれほどないはずです。
逆に、イヤホンとして課題があるとすれば遮音性や音もれの問題でしょうか。これについてはEarPodsと同じで、密閉性がほとんどないと言って良いレベルなので、音楽と一緒に外部の騒音も丸聞こえですし、電車の中などで音量を上げれば隣に座っている人に注意されてしまうくらい漏れてしまいます。
AirPodsに次期モデルがあるとすれば、今のところ改善してほしい問題はこれくらいです。それ意外の点については何の不満もなし。完全ワイヤレスなのに通信が安定していてバッテリーの持ちもよく、ストレスなく極めて普通に扱えるイヤホンに仕上がっています。1万6000~7000円とちょっと高価ですが、値段なりの価値は確実にあると感じました。