コスパ最高なSOUNDPEATSのカナル型完全ワイヤレスイヤホン「Sonic」レビュー!

買ったものレビュー (イヤホン・ヘッドホン・オーディオ) 約5分で読めます 投稿 2021/12/13 更新 2021/12/14

コスパ最高なSOUNDPEATSのカナル型完全ワイヤレスイヤホン「Sonic」レビュー!

今回購入したのは、中国のイヤホンメーカーで有名なサウンドピーツ(SOUNDPEATS)の完全ワイヤレスイヤホン「Sonic」です。価格はAmazonのブラックフライデーセールで購入したので3500円ほどでした。通常時のネットでの相場価格は5000円前後かと思います。

価格からみてTWS(True Wireless Stereo)の入門機と言っていい本機ですが、今回安かったから気分で買ってみただけで、そもそも性能や品質には大して期待していなかったのですが、これが良い意味で期待を裏切られてなかなか良く、コストパフォーマンス的にはとても満足いくものでした。

箱は小ぎれいな感じで一昔前の中国製品っぽい粗雑さは感じられない。日本メーカーの製品と言われてもわからないレベルです。「QCC3040」「aptX adaptive」といった本機の特長がさりげなく記載されていますね。

箱を開けてみたところの印象も、昔の中国製品とは違い高級感がそれなりにあって満足感が得られる”良い感じ”です。

付属品はケース・イヤホン本体のほか、充電用USB type-cケーブルと交換用イヤーピースと取扱説明書。USBケーブルは短くて取り回しが良いので重宝しそうです。

イヤホン本体がそれなりに大きいので、ケースはけっこう厚みがあります。写真では消灯していますが、ケースのバッテリー残量に応じてLED点灯時の色が緑→オレンジ→赤と変わります。無線充電のQiには非対応ですが、充電端子はtype-cなので不便さはありません。

イヤホン本体の充電端子は絶縁シートで覆われています。装着されてたシリコンピースはMサイズ。ちょっと安っぽい感じのイヤーピースで性能や耐久性は高くなさそうなので、ソニーなど国内メーカーのイヤーピースを予備に持っていたら交換してもいいと思います。

ケースにセットして充電が開始されると、こんな風に内蔵LEDが赤く点灯します。ケースから取り外して音楽を再生しているときは消灯しています。ケースからイヤホン本体を取り外した時点で自動的にペアリングが開始されるのは一般的なTWSと同じ。ペアリングはトラブルもなく割と速やかに行われました。

音質はエントリー機価格の完全ワイヤレスイヤホン、いわゆるTWS(True Wireless Stereo)ということで、そもそも大して期待はしていませんでしたが、ガッツリ音楽を聴きたいといった用途でなく、散歩中やながら仕事、ながら勉強のBGMくらいの使い道であれば十分といって良いレベルでしょう。

個人的には完全ワイヤレスの分野では音質は二の次で、装着感の良さやBluetoothの接続が途切れないこと、音飛びしないことなど安定性や使い勝手の良さを第一に求めていて、しっかり音楽を聴きたいときは、きちんとした有線の数万円クラスのイヤホンを使うのが良いんじゃないかと思っています。

そういう意味では、カジュアルに音楽を聴く分には価格を考えたら十分な音質ですし、クアルコムの「QCC3040」チップセットを搭載していて左右独立受信方式「TrueWireless Mirroring」に対応しているなど、安定性は抜群。よほど電波の混み合っている満員電車内でもなければ、音の途切れはほぼありません。

Bluetoothの送信機側が古いガラケーやウォークマンの場合はわかりませんが、少なくともここ何年かの間に発売されたスマートフォンとの接続であれば、よほどの電波干渉がない限り非常に安定しています。筆者はAppleのAirPods初代を愛用していますが、それに匹敵する安定性と言っても良いレベルだと思います。

装着感も普通に良く、首を振ったくらいでは落ちることはまずないので、ランニング中やジムで体を動かしているときにも問題なく使えますし、自分の耳(たぶん標準的な形と大きさ)には数時間連続で装着していても全く痛くならないほどフィットしているので、この点はかなり気に入っています。

一応、音質の傾向としては、当たり前ですが高級イヤホンのそれとは比べられるようなものではありません。価格からしてこの点を詳しくレビューしてもあまり意味はないと思うので、サラッと流しますが、第一印象としては、カジュアルに聴く分には決して悪くはないが、「5000円以内のイヤホンならこれくらいが限界かな?」と感じる程度のものでした。

イヤホンが好きで普段は数万円クラスの有線カナル型で聴いている自分にとっては、シャリシャリした厚みのない薄っぺらい感じの乾いた音。けれど、それなりに綺麗にまとまっていて、軽くロックやポップスを聴くには十分に楽しめる。音の分離感や解像度も価格を考えたら決して悪くはない。むしろ十分と言える。そんな印象です。

よく”ドンシャリ”と評される本機ですが、自分としては重低音の量が足りなくて、どちらかと言うと中高音域に偏った”シャリシャリ”した音だと感じています。この程度の低音域の量感では”ドン”の内に入らない。それゆえハードロックなどではやや迫力の欠ける薄っぺらい感じの音にきこえます。一方で音の立体感は上手く表現できているので、聴いていてそれなりに楽しめる音作りではあります。

また、ボリュームを絞ったときの最低音量はかなり小さめなので、小さい音で聴きたいときは細かくボリューム調整できて便利ですが、逆に迫力を重視して音量を大きくとりたい人にはやや物足りないかも。自分としては耳の健康を考えて、静かな環境においてはできるだけ小さい音で聴きたい派なので、この点は好みです。

というわけで、自分にとっては、TWSであることと価格を考えたら音質には何の不満もないのですが、それでも、もう少し音質を求めたいという場合は、同じサウンドピーツから出ている上位モデルの「Sonic Pro」を検討するのもアリでしょう(ただ、個人的には1万円以下は音質は割り切っているので、これ買うくらいならもっと高価格帯を考えるかな?)。

また遮音性については、付属のシリコン製イヤーピースを装着している場合でも一般的なカナル型イヤホンに求められる程度の遮音性は十分に確保されている、むしろどちらかと言えばカナル型の平均レベルよりは良いのではないかと感じます。

性能の悪い下手なANC(アクティブノイズキャンセリング)機能付きのイヤホンを買うくらいなら、これの方がずっと良い。そう思わせてくれるくらいのきちんとした密閉性があるのがなかなかの好印象。むしろ散歩中なんかに使っていると、後ろから来た車のエンジン音に気づかず危ないと感じるほど。

なお、これは試したわけではないので断言はできませんが、Complyのウレタン低反発イヤーピースなどに変えたら、あるいはSHURE製のイヤホンに近いくらいの遮音性が期待できるかもしれません。実際どうか分かりませんが、そんなことを言いたくなるくらい密閉性が良い。

ゆえに音漏れ防止についても、かなり期待できます。試しにAmazon musicのいくつかの曲で音量を最大まで上げてみましたが、耳にフィットさえしていれば、ほとんどないと言っても言い過ぎではないほど軽微。これなら電車内でボリュームマックスにしても隣の人から注意されるようなことはまずないのではないかと思います。

また、本機の大きな特長であるのが、公称値で連続再生15時間という電池持ちの良さ。ただし、これは音量を最小に絞ったときの数値であるというところが、実際に使用されるシチュエーションとは乖離があって、若干詐欺っぽいのですが、まあそれでも、これだけのイヤホン本体のでかさ故、電池持ちが良いこと自体は間違いないわけで…。

ただ、普通の使い方ならば実際に15時間もイヤホン付けっぱなしなんてことはまずないので、15時間持つのがそんな大きなメリットか?というと微妙なところですが、そこは考え方次第で、バッテリー容量が大きいことは完全ワイヤレスイヤホンにおいては、また別のメリットがあります。

というのも、イヤホンという小さな形状ゆえ、普通は大きなバッテリーを積めないので、使用中にいったん耳から外してしばらく放っておくと、もういちど手に取ったときに電池切れしていた、なんて面倒ごとがよくあるのがTWSの欠点の一つですが、これだけ電池持ちがよければ、そんなことを気にする必要はないでしょう。

完全ワイヤレスイヤホンの大きな欠点の一つである、耳から外したときいちいちケースにしまわなければならないという不便さから自由になれるのは、連続再生15時間云々なんかより、ずっと大きな利点ではないかと思います。そういった小さなストレスの積み重ねから解放されるのは実用面でとても大きいはず。

あと、カナル型イヤホンという分野では、特にシリコン製イヤーピースを用いていると、有線イヤホンではコードからくるタッチノイズなど振動音を多く拾ってしまうのが難点だったりします。Complyのウレタン製イヤーピースなどに変更することである程度は解消できますが…。

けれども、完全ワイヤレスなのでそんなストレスはなし。散歩中に本機を耳に付けているときでも、さすがにまったく振動音がない訳ではありませんが、これだけ密閉性が高いにも関わらずあまり気になりません。そういう意味で、完全ワイヤレスとカナル型は非常に相性が良いと言えると思います。

というわけで総じてコストパフォーマンスが非常に高く、中国製だからと言って「安かろう悪かろう」の時代はとっくに終わっている、むしろ日本の工業製品よりも今や価格でも品質でも上を行っているかもしれない。そんなことを改めて印象づけられた製品になりました。

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