JVCケンウッドの木製素材の高級イヤホン「HA-FX1100」レビュー!

買ったものレビュー (イヤホン・ヘッドホン) 約4分で読めます 投稿 2020/01/04 更新 2020/01/04

JVCケンウッドの木製素材の高級イヤホン「HA-FX1100」レビュー!

今回レビューするのはJVCケンウッド高級カナル型イヤホン「HA-FX1100」です。発売当初の価格は5万5000円ほどで、かつては同社のWOODシリーズのカナル型イヤホンの中ではフラグシップモデルの位置づけでした。一時期は生産終了していたようですが、現在は再開しているようで2万円台後半くらいで入手できます。

筆者が実際にこのイヤホンを購入したのは2年半くらい前なのですが、事前に近所の家電量販店で視聴したことがあって、高解像度ながら力強い重低音もきれいに出てくれるところが気に入っていました。その後のAmazonのタイムセールで2万4000円ほどで売っているのを見つけたので買ってみた次第です。

発売されたのが2014年末なので今から5年ほど前のモデルなのですが、近年の高価格帯イヤホンの中ではかなりの人気モデルになったようで、ポータブルオーディオ好きの人なら知っている人は多いはず。すでにレビューも出尽くしている本イヤホンなので今更感はあるのですが、自分なりの感想を書いてみたいと思います。

箱はこんな感じ。筆者は個人的には数万円クラスのカナル型イヤホンをこれまでに何本も購入してきましたが、JVCケンウッドの木製素材を用いたイヤホンは今回が初めての購入です。

箱の裏面はこんな感じ。木製素材をふんだんにつかったドライバーユニットの構造図が載っています。「木が奏でる音」というキャッチフレーズはオーディオ好きの筆者としては引きつけられるものがあります。

箱を開けてみたところ。高価格なイヤホンらしい演出です。黒と金色の組み合わせのデザインはなかなか高級感がありますね。

箱の中を開けてみると、ちょっと大きめでしっかりした感じの作りのキャリングケースが入っていました。ちなみにこのケースの中にも交換用イヤーピースなどが収められていました。

というわけで、付属品一式はこんな感じ。イヤホン本体のほか、キャリングケースと取扱説明書、イヤホンのコードをワイシャツなどに留めるためのクリップ、交換用のシリコン製イヤーピースなどです。

イヤホンのデザインの特徴としては、WOODシリーズの上位機種ということで木製ハウジングを採用していますが、今作は木の質感をそれほど強く押し出した感じのデザインではないように思います。

イヤホンをケースに入れてみたところ。イヤホンを持ち運ぶにはちょっと大きめのケースなのでかさばりますし、コードをかなり丸めないと上手く収まらないので、使っているうちにケーブルにクセが付きそう。なので個人的には使っていません。

このWOODシリーズのイヤホンの最大の特徴が木製素材を使用していることですが、今作もハウジングのほか振動板やディフューザーなどドライバーユニット部分にも木の素材が多く用いられているようです。これだけでも良い意味で強い個性があるので、持っていて満足感のある一本です。

音質の特徴としては、ダイナミック型のドライバーユニットを採用していながらバランスドアーマチュア型の高級機にせまるほどの高解像度で繊細な表現ができて、なおかつ厚みのある重低音がよく出るところ。純粋なダイナミック型のイヤホンとしては、音質は最高級と言って良いでしょう。

高域~低域まで解像度の高い音をきれいに出してくれますが、特に重低音の量については目をみはるものがあります。今まで数万円クラスの高級イヤホンを何本も使ってきた筆者ですが、正直言って、この価格のイヤホンでここまで重低音を力強くきれいに表現できるイヤホンは初めてかもしれません。

おそらく、このイヤホンを初めて聴いた人の誰もが持つ感想が、重低音の質量がものすごいという点に尽きると思います。イヤホンの構造上、ドライバーユニットのサイズがどうしても小さいので、普通はヘッドホンやスピーカーのような重低音を出すのは難しいのですが、それをイヤホンで実現しているのが本機の特長です。

木製素材の振動板を用いていることから、個人的には澄み渡った木の響きみたいな美しい高音域のイメージを勝手に想像していたのですが、実際に聴いてみるとそんなイメージとはかけ離れた、力強く元気の良い生き生きとした音という感じです。とにかく普通のイヤホンの常識では考えられないほど重低音の迫力がすごい!

筆者も最初は「イヤホンにしては低音がきつすぎる」と感じましたが、それは普段から低音の表現が苦手でどうしても量が出ないのが当たり前なイヤホンの世界の音に慣れていたからで、ヘッドホンやスピーカーと比べると、むしろイヤホンでも本来はこれくらいの低音が出るのが望ましいと言えます。

そう考えると、このイヤホンに対して多くの人が「イヤホンとしては重低音が強く出る特徴的な音」と感じるかもしれませんが、本来の音のバランスを考えればこれくらいが普通で、ヘッドホンやスピーカーに近い高域~低域まできちんと表現できるバランスの良い音を出せるイヤホンと言っても良いかと思います。

中域~高域が低域の力強さに埋もれてしまっているかと言うと、もちろんそんなことはなく、どの音域も品が良く生き生きとしていてしっかり前に出てくる、それでいてモニター機のようにエッジが尖ったきつい音でもない、理想的な円みのある聴き疲れしにくい心地の良い音といった感じです。

というわけで、基本的にはどんなジャンルの音楽でも使えるオールラウンダーなイヤホンだと思いますが、筆者が購入前に視聴した家電量販店の担当者から聞いたところによると、特にジャズをよく聴く人からの指名買いが多く、ものすごい人気があるそうです。

個人的にはロックやポップにつてもイヤホンとしては重低音がガンガンでてくれるので、迫力のある音が聴けてかなり向いていると思います。クラシックだけを聴く人にとっては、もちろん本イヤホンも悪くはありませんが、この価格帯なら中~高域の解像度をより重視したイヤホンが他にも選択肢としてありそうです。

また欠点をあげるとすれば、イヤホン自体のサイズが標準的なものに比べてやや大きいゆえ、フィット感が良いとは言えないことでしょう。イヤホンとしては重量もやや重めで、うまくフィットしないと散歩中などは耳から外れてしまうこともあるかもしれません。

デザイン上の特徴である木製ハウジングの大きさが仇となって、嵌めていると耳から大きく飛び出てしまうことも相まって、イヤーチップのサイズが耳に合っていないと長時間の安定した装着は難しいかもしれません。人によってはシュア掛けも考える必要がありそうです。

また付属のケーブルがイヤホン用としてはやや太めで、高純度無酸素銅の採用やタッチノイズを抑える編組コードなど品質は大変良いものですが、その結果としてやや重めのケーブルになっているので、イヤホン自体の重さも相まって耳から外れやすさが増してしまっています。

場合によってはシュア掛けしやすいケーブルだったり、少しくらいなら音質を犠牲にしても構わないなら、細くて軽い取り回しの良いケーブルに交換することも検討しても良いでしょう。リケーブル可能なMMCX端子を搭載しているので交換用ケーブルの選択肢は幅広くあります。

また遮音性は悪くはありませんが、カナル型イヤホンとしては高い方ではありません。散歩など運動中に使用していると耳からは外れてしまいそうなフィット感の微妙さも考えると、アウトドアでも使えると言うよりは、自宅や仕事場の休憩所など静かな屋内で使用する使い方がメインになってくると思います。

そういった使い勝手の部分に目をつぶることができれば、もともとはJVCケンウッドのイヤホンの最上位機だったこともあり、本来は5万円台だったものが現在は2万円台で購入できることを考えると、コストパフォーマンスはかなり高いと言って良いでしょう。

発売当初の価格である5万円台ともなると、他社製を含めて選択肢がかなり広くなってくるので、色々試聴した上で自分の好みに合ったイヤホンを探し回るべきだと思いますが、現在の2万円台という価格ならば個人的にはネットのレビューだけ見て購入を決めても良いくらいのハズレのない品質の高いイヤホンだと思います。

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