SONYの”高音質”Bluetoothヘッドホン「DR-BT50」レビュー!

買ったものレビュー (イヤホン・ヘッドホン・オーディオ) 約3分で読めます 投稿 2010/07/28 更新 2019/12/25

SONYの”高音質”Bluetoothヘッドホン「DR-BT50」レビュー!

今回は、ソニーのBluetoothヘッドホン「DR-BT50」を購入してみました。今のところ国内で一般に市販されているBluetoothヘッドホンとしてはおそらく価格・性能共に最高クラスのものになり、デジタルオーディオプレイヤーのほかiPhoneや一般的な携帯電話なども含め、Bluetooth対応機を持っている方なら、多少なりとも気になっている人も多いのではないでしょうか。

他メーカーから、対抗馬となるような本機と同程度のスペックの製品がほとんど発売されていないこともあり、現状では手持ちのBluetooth機器をフルに生かすための唯一の選択肢であるとも言える本機ですが、Bluetoothオーディオには普通「ペアリング」と呼ばれる少々面倒な設定が必要になるため、家電量販店などで試聴スペースが設けられている店舗は多くなく、こういったネット上で得られる情報が貴重なものになってくると思います。

というわけで、今回は試聴なしでのいきなりの購入になってしまいましたが、手持ちのウォークマンやiPod touchのワイヤレス機能をフルに楽しみたいということで、試しに購入してみました。使用開始してから一ヶ月程度経過し、そろそろエージングも済んだところで、早速レビューしてみたいと思います。

パッケージはこんな感じ。

付属品は、充電アダプターとキャリングケース。インナーイヤーやカナル型ヘッドホンと違い、ポケットに入れて持ち運べるような物ではないので、このキャリングケースは外出時にはそこそこ活躍しそうです。

充電アダプターは、他のソニー製Bluetoothヘッドホンと同じ規格のもののようです。

デザインについては個人的にはあまり好きではありません。この辺りは個人の好みの問題もありますが、他メーカーから本機と同等の製品がほとんど販売されいないため、現状では選択肢がないので不満を言っても仕方がないといえば仕方がないですね。とは言っても、酷評するほど悪いわけでもありません。客観的に見て、「可もなし不可もなし」と言ったところでしょうか。

携帯用にコンパクトに折りたためるようになっています。キャリングケースに入れるときはこの状態でぴったりと収まり、重さも180g程度で携帯性はそれほど悪くなさそうです。

値段が値段なだけあって、付け心地はなかなか快適。イヤーパッドの形状は耳をすっぽり覆うような感じで、硬さもちょうど良く、耳にぴったりとフィットし長時間つけていても痛くなりません。ホールド感も悪くなく、早歩き程度の運動なら頭からずれることもなさそうです。はじめは同メーカーの他製品と比べて、左右の締め付けが若干きついような印象も受けましたが、こちらも慣れると全く気にならなくなりました。

電源や操作ボタン等は、全て右側に集中しています。ボタンが縦に並んでいてどれも同じような大きさなので、頭に装着したままブラインド状態で操作するのはちょっとやりにくい印象。使用中は青色のLEDランプが点滅し、電源が入っているのが分かるようになっていますが、人前で使用するにはこれはない方が良いと思う人も少なくなさそうです。充電については、かなり長持ちします。目安として1日に1?2時間程度の使用なら、週に一回充電すれば十分でしょう。

今回は、ウォークマン「NW-A846」+Bluetoothトランスミッター「WLA-NWB1」と本機を接続してみました。ペアリングはソニー統一規格の”7秒押し”であっという間に完了。通信の安定性には少し問題があり、無線LANなど周波数帯の近い電波が飛んでいる環境では、通信先の機器にもよりますがプツプツと音が途切れることが多々あります。これは、Amazonや価格.comのレビューを見ても、個体差と言うよりは本製品全体にわたる傾向のようで、実際に当方の所持する同メーカー(SONY)製の耳掛け式Bluetoothヘッドホンと比較しても、通信の安定性は高くありません。この点については、不満が残ります。ホワイトノイズの量は使用するトランスミッターの相性にもよると思いますが、今回はほとんど気になりませんでした。

マイクも内蔵されているので、ヘッドセットとしての使用も可能。携帯電話だけでなくSkypeなどでの音声通話にも使用できるそうですが、まだ使ったことがないので、この点についてはパスします。

肝心の音質については、残念ながら期待はずれでした。そもそも、Bluetoothに高音質を求めること自体ヤボなことだと考える方が圧倒的に多数派だと思いますが、ここで期待はずれだったのはむしろスピーカーの所定の性能で、Bluetoothが圧縮音源であることを差し置いても、いわゆる”オーディオ”と呼べる一般的なオーバーヘッドバンド式ヘッドホンに求められる最低限の音を鳴らしきれていない印象。例えるなら、3000円クラスのカナル型イヤホンと同程度の解像度で、価格や見た目の「ゴツさ」を考慮すると”高音質”と評価するのは難しいように思います。

音質をそれほど気にせず、BGMなどとして単純に音楽を楽しみたいだけであれば十分なスペックは満たしていると言えそうなレベルですが、「高音質なBluetoothヘッドホンが欲しい!」という動機で購入することはあまりオススメできません。メーカーの宣伝文句では”高音質”とされています(他のBluetooth製品と比べると確かに相対的に高音質なのでしょう)が、やはりこの辺りがBluetooth製品としての限界のような気もします。購入してから一ヶ月ほど使用してみましたが、エージングによる音質向上効果は感じられません。

総じて、2万円近い価格を考慮するとコストパフォーマンスはそれほど高いとは言えませんが、対抗馬となる機種が他メーカーからほとんど発売されていない現状ではオンリーワンの製品であり、何と言ってもワイヤレスの快適さというものは、デザインや音質には代え難いものがあります。音質がそれほど良くないと言っても、もちろんこれは一般的な数千円クラス以上の有線ヘッドホンと比較した場合の評価であり、あくまで”Bluetoothヘッドホン”としては、確かに最高クラスの性能でしょう。手持ちのBluetooth対応機をフルに生かすために、思い切って購入してみるのも良いのではないでしょうか。

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