予想外の高音質 ? Appleの新イヤホン「EarPods」レビュー!
買ったものレビュー (イヤホン・ヘッドホン・オーディオ)
約2分で読めます
投稿 2012/10/18
更新 2020/01/01
第5世代iPod touchを購入したのですが(レビューはこちら)、新しくなった付属のイヤホン「EarPods」がかなり良かったので、これ単体で感想を書いてみます。結論から先に言うと、とてもプレイヤーの付属品とは思えない非常にレベルの高い音質で驚きました。
私もポータブルオーディオの音質にはこだわりを持っている方で、イヤホンは下は数千円クラスから上は5万円クラスまで趣味で色々と集めており、当ブログでも今までハイエンド機を中心にイヤホン・ヘッドホンのレビュー記事をいくつか書いてきました。
そんな私から見ても、はっきり言ってこのEarPodsは最低でも1万円クラスのカナル型イヤホンと肩を並べるくらいの音質であることは断言できます。これ単品では2800円という手頃な価格で販売されていますが、とても2800円のレベルの音質ではありません。
iPod touchのケースに付属品としてこのような形で入っていました。デザインは今まで通りスタイリッシュな感じで外でも使いやすいのが良いですね。
従来のインナーイヤー型と違って、メッシュ部分が2カ所に分かれて音の出る部分の面積が小さくなった独特の作りですが、装着感に違和感はありません。
上部には3mm程度の大きさのスリットがあります。音抜けをよくするために、ここからハウジング内部にこもった音を逃がす構造でしょうか。
さらにコードの付け根の辺りにもスリットがあって、激しく音漏れしそうな印象を受けますが、実際には従来のiPod付属イヤホンよりも漏れにくいようです。
コードの材質や分岐部分の作りは従来のiPod付属イヤホンと全く同じです。見た目のチープ感も相変わらず。
プラグ部分も相変わらず金メッキではありません。普通の3極のステレオミニプラグと違って4極になっていますが、ウォークマンなどアップル製以外のプレイヤーでも使用可能でした。
音質について、従来のiPod付属イヤホンと何が違うのかと言うと、解像度が大幅に向上していて、低音がしっかり出ます。今まででは聞こえてこなかった音がはっきり聞こえるようになって、チープな外観からは想像も付かないような高音質で本当にびっくりしました。
今までのインナーイヤー型は、普通に装着した状態では耳穴の周囲から低音が抜けてしまい、指で強く耳に押し当ないと低音がきれいに出てくれないのが欠点でしたが、EarPodsではそのようなインナーイヤー型の問題点が完全に解消されています。
また、それでいて高音質を謳う安物のカナル型イヤホンのように音がこもったような印象を受けることも全くありません。耳の穴を密閉する構造ではないので、カナル型のようにケーブルのタッチノイズの量が多かったり難聴リスクが高いなどの欠点がないのも良いですね。
音のバランスとしては、フラットからややドンシャリと言ったところ。従来品と比べるとかなり音場が広く、音の立体感も増しているためポップやロック系の曲では今までボーカルに埋もれていた各楽器の音が奇麗に再現されて積極的に前に出てきてくれます。
解像度の高さについては特に目を見張るものがあり、普通の中小オーディオメーカーがこれくらいの解像度のイヤホンを出すとなると、開発費を回収するために最低でも1万円くらい、場合によっては2万円近い値段がついていても不思議ではありません。
世界中でぼろ儲けしていて尚且つ生産量も桁違いに多いアップルだからこそこの程度の価格で販売できるのかもしれませんが、低コストで量産できる付属品レベルのイヤホンでよくもまあここまでレベルの高いものを設計したものだと感心しました。
流石に比較対象が5万円クラスのカナル型イヤホンともなると、明らかにEarPodsの方が2〜3段階レベルが落ちて密度のないスッカスカの音に感じてしまいますが、それでも1万円以下の価格帯の中では間違いなく最強のコストパフォーマンスを誇るイヤホンです。