Ultimate Ears 10 Proをリケーブルしてみた!Null Audio「Lune」レビュー!
買ったものレビュー (イヤホン・ヘッドホン・オーディオ)
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投稿 2012/09/11
更新 2019/12/26
今回購入したのは、Null Audio Studioから発売されている、「Ultimate Ears Triple.fi 10 Pro」のリケーブル用交換ケーブル「Lune」です。価格は約1万5千円弱とかなり高価で、イヤホン本体の価格が発売当初よりも大きく下がった現在は、下手をしたら本体よりも高いかもしれません。
”10 Pro”の略称で親しまれているこのイヤホン、ポータブルオーディオを少しかじったことのある人ならばもはや誰でも知っていると言っても過言ではないほど超有名な製品で、管理人もずいぶん前から長い間愛用していますが、このイヤホンはケーブル交換が可能なことでも知られています。
オーディオに興味を持っている人ならば、「ケーブルを変えたら音が良くなった」という話は必ずどこかで聞いたことがあると思いますが、今回それで10 Proの音質が本当に良くなるなら試してみようと気まぐれに思い立って、半信半疑で購入してみたので少し感想を書いてみたいと思います。
というわけで、ただのイヤホン用ケーブルなのにこんな立派なボール紙のパッケージが手元に届きました。上の写真だけではわかりにくいですが、結構大きいです。
開けてみると箱になっていることがわかりますが、なぜか組み立てられておらずそのままケーブルが挟まれているだけという…。ちなみに保証書やら取説は付属しておらず、入っていたのはケーブル本体のみ。
ケーブル本体の見た目は1万5千円弱という価格とは裏腹にかなり安っぽく、手作り感があふれています。これくらいなら部品さえ揃っていればハンダ付けとかしながら自作できるんじゃないだろうか…と思わせてくれる代物です。
プラグ部分はViaBlueというブランドで、自作ケーブルの世界では良質なプラグとして有名なものが使われています。この辺りの部品の選定などからも手作りっぽさが伝わってきます。
コネクタ部はこんな感じ。耳に掛ける部分のチューブは形が固定されています。赤と青の印が付いていて右と左を判断できるようになっていますが、素材が安っぽく耐久性もなさそうでいまいちチープ感が拭い去れません。
分岐部分などを見てもいちいち作りが安っぽいです。分岐部分から下は布巻ですが、上はそのまま針金のような銀製ケーブルが露出していて二つ編みになっているだけなので、かなりデリケートで取り扱いには気を遣ってしまいます。
10 Proを装着してみました。純正ケーブルと比較して太かったり細かったりする部分があってプラグ部分もごつい上に、何しろケーブルの素材が銀なので耐久性が非常に悪く、クシャっと丸めるとポキッと折れてしまいそうで、とにかく取り回しが悪いです。
見た目の安っぽさに文句ばかり書いていますが、実際に純正ケーブルと比べて音質は向上したのかと言うと、案の定でした。あえてはっきりと断言してしまいますが、音に変化なし。プラシーボ効果かな?という程度には変化してくれることを期待していましたが、全く変わりません。
まあ当たり前と言えば当たり前で、電気が通っていさえすればケーブルの材質が銀だろうが銅だろうが錆びた鉄だろうが、同一の信号を送っている限り物理的に考えて音質の変化などしようがないわけです(まれに材質によって抵抗値が違えば音が変わるはずだ!なんていう残念な思考回路の人がいますが…)。
よくオーディオ専門ブログやレビューサイトなどでは「アンプを通したかのように解像度が増した」とか「ボーカルに厚みが増して前に出てくる」といった風に絶賛されている本ケーブルですが、多くの人に読んでもらうためにはそれっぽいことを書かないといけないという事情や業者によるステマの可能性もあるのでしょう。
以上は購入する前にある程度予想していたことでしたが、せめて気分だけでも高音質を味わいたいと思っていたので取り回しの悪さなど色々と残念な結果になってしまいました。「買って良かったか?」と言われれば、良くないです。悪かったです。勉強代と考えても、1万5千円弱という価格はなかなか高く付いた買い物でした。