デジタルノイズキャンセリング&S-Master搭載のウォークマン「NW-A840」レビュー!

買ったものレビュー (イヤホン・ヘッドホン・オーディオ) 約4分で読めます 投稿 2009/11/01 更新 2021/12/18

デジタルノイズキャンセリング&S-Master搭載のウォークマン「NW-A840」レビュー!

今回はウォークマンA-シリーズ「NW-A840」を購入してみました。発売されてからすでに半年近く経過したX-シリーズ「NW-X1000」と機能が被る部分もいくつかありますが、SONY独自の高音質技術「S-Master」、従来のアナログ方式と比較して性能を大幅に向上させ周囲の騒音を98%カットすると謳う「デジタルノイズキャンセリング」機能など、まだまだ気になる機能が満載なので、当ブログでも記事として軽く触れてみたいと思います。

写真からもわかるように、今回購入したのはポータブルミュージックプレイヤーとしてはあまり見かけないブラウンカラーのモデル。過去に発売されたウォークマンと比較しても、ある意味奇抜とも言えるような色使いで、価格.comなどの売れ筋ランキングを見ても他のカラーよりもずいぶん人気がないようですが、カタログではなく実際に手にとって見てみると、ブランド品の財布やバッグが持つ独特の高級感にも似たような高い質感を醸し出しており、上位モデルのウォークマンに相応しく、所有欲も十二分に満たしてくれるという印象です。

ところで、今回のウォークマンA-シリーズは、X-シリーズのような無線LANやワンセグの搭載など、いわゆる”全部入り”のフラグシップモデルではなく、フルデジタルアンプ「S-Master」と、「デジタルノイズキャンセリング」を搭載した、あくまで音楽再生に特化したモデルとして位置づけられているようなので、ハードウェア的な性能やデザイン、操作性についてはここではさらっと流し、音質やノイズキャンセリング機能など音楽再生に関連する部分に的を絞った(筆者の主観的な)レビューとなっています。

デジタルノイズキャンセリングの効果は予想以上!

アナログ方式のノイズキャンセリング機能を内蔵したウォークマンは、数年前から販売されているので、その消音効果がどれほどのものなのか知っている方も多いのではないでしょうか。今回はデジタルノイズキャンセリングと言うことで、やはりユーザーにとって一番気になるのは従来のアナログ方式との性能の違いでしょう。

公式には、従来のノイズキャンセリングは周囲の騒音を約90%カットするのに対し、デジタルノイズキャンセリングでは98%カットするとされており、数値だけ見るとそれほど劇的な違いはないようにも思われますが、実際に聞き比べてみると、この差は予想以上に大きいことに気付かされます。

もちろん、98%カットするとは言っても、体感的には残りの2%の騒音がわずかに聞こえてくるというわけでは全くもってないので、この数字を強調するのはメーカーの過剰宣伝であるかのような印象を持たないわけでもありませんが、従来のアナログ方式と比べて大幅に性能が向上していることは間違いないようです。

まず第一に、はっきりとした違いが感じられたのは、従来のものは主に室内の空調や電車やバスの「ゴーッ」という騒音など、低音域のノイズにしかほとんど消音効果がなかったのに対し、デジタルノイズキャンセリングでは人の話し声など、もう少し高い音まで低減してくれるということ。また、低音域の消音についても、多少効果が高くなっているような印象があります。

高音の場合、低音のノイズをカットするときのような大きな消音効果は期待できませんが、それでも1メートルくらい離れたところで普通の大きさで喋っている人の声ならば、3?4割程度低減してくれるように感じられ、踏切の警報機のベルのようなかなり高い音にも音源が遠のくかのような消音効果があり、結果として全体の騒音レベルはアナログ方式のものと比べて大きく下がっているように思います。

次に、カタログスペックに表されない大きな違いとして、ノイズキャンセリング機能使用時に耳の中だけが部分的に気圧が上がったかのような鼓膜に対する非常に不快な圧迫感が、デジタルノイズキャンセリングではかなり低減されていることに驚かされました。

中には、この圧迫感を嫌ってノイズキャンセリング機能の使用をやめるケースも少なくないようで、周囲の騒音が大きくなるのに比例して(すなわち、ノイズキャンセリングの効果が大きくなるにつれて)耳の奥への圧迫感も大きくなることを考えると、実際的には、非常に逆説的ですが、騒音を回避したい場面に置かれる(つまり、周囲の騒音が大きくなる)ほどノイズキャンセリングヘッドホンを使いにくくなるという結果につながることも考えられなくはありません。

従来のアナログ方式のノイズキャンセリング処理では、このような圧迫感が人によってはかなり大きく感じられるレベルであったことはウォークマンユーザーの間ではよく知られていることですが、一方の新しいデジタルノイズキャンセリングではこの圧迫感が大幅に低減されており、電車やバスの中などかなり騒音の激しい場所でノイズキャンセリング機能を使用しても、ほとんど不快に感じない程度にまで改良されていました。

ノイズキャンセリング効果は大きいのに、耳への圧迫感は少ないというのも不思議な感じもしますが、おそらく従来のアナログ方式ではマイクで拾った周囲の騒音に常にフルパワーで逆位相の音波をぶつけて相殺しているのに対し、デジタルノイズキャンセリングでは消音すべき騒音に対して最小限の逆位相の音波を正確にぶつけることができるため、このような圧迫感の解消を実現できているのではないでしょうか。(あくまで筆者の勝手な予想ですが。)

また上記のような理由から、ノイズキャンセリング機能を使用しても、従来のように不使用時に比べてホワイトノイズのレベルが急に大きくなったりせず、なおかつ聴いている音楽の音質劣化にもあまり影響を与えないようになっているような印象があり、実用性という意味では従来の製品と比べてかなり改良されているように感じます。

ただし、注意したいのはデジタルノイズキャンセリングの特徴は上にあげたように良いことばかりではなく、性能向上ゆえに電池の消費が非常に大きくなっているということ。従来のウォークマンに搭載されていたアナログ方式のノイズキャンセリングでは、機能を有効にした状態で音楽を再生し続けても、機種にもよりますがフル充電した状態では10時間以上は優に連続再生が可能だったような印象がありますが、今回購入した機種では「いたわり充電モード」を使用せずにフル充電した状態でも、せいぜい5時間持つか持たないかといったところです。

本機種は、フルデジタルアンプの「S-Master」等の機能を搭載しているせいか、ただでさえ他の機種のウォークマンと比べて電池の持ちはお世辞にも良いとは言えない部類であるのに、ノイズキャンセリングに大量の電池を食われてしまうとなると、毎日通勤や通学など外出先で長時間音楽を聴く人にとっては少々つらいかもしれませんね。

付属ヘッドホンの音質はまあまあ

せっかくのデジタルノイズキャンセリングも、実際には付属ヘッドホンを使用しないと使えないので、そもそもこのヘッドホンの質が粗末ではいくらハードウェア的な高性能さを語ったところで意味がありません。今回購入したウォークマンでは、同じくデジタルノイズキャンセリング機能搭載の「NW-X1000」にも付属していた今までの13.5mmドライバーユニットを搭載したヘッドホンとは異なり、新しく16mmドライバーユニットを採用したバーティカルインザヤー方式のヘッドホンが付属されるようになったので、そちらについても簡単に感想を記しておきたいと思います。

※この記事は書きかけです。

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