SHUREの高遮音性イヤホンのエントリーモデル「SE215」レビュー!

買ったものレビュー (イヤホン・ヘッドホン・オーディオ) 約2分で読めます 投稿 2013/12/22 更新 2020/01/04

SHUREの高遮音性イヤホンのエントリーモデル「SE215」レビュー!

今回買ったのは、SHUREの高遮音性カナル型イヤホン「SE215」です。本イヤホンはSHUREの高遮音性イヤホンシリーズにおけるエントリーモデル的な位置づけで、上は10万円クラスまである中で最も安価なモデルです。価格としては1万円弱くらいで購入することができます。

この形状の高価格帯のカナル型イヤホンは、ドライバーユニットにバランスドアーマチュア型を採用したモデルが多いですが、この「SE215」はダイナミック型なので、高解像度で繊細な音というよりは迫力のある重低音がしっかり出てくれるのが特長です。

まあ筆者としては音質は価格なりのイヤホンだと思っていて、コストパフォーマンスが特に高いと言うほどでもありませんが、SHUREの高遮音性イヤホンの中では手ごろで購入しやすいのが良いところです。今回は使い勝手などを中心にレビューを書いてみたいと思います。

箱はこんな感じ。カラーはこの他にも無色透明のクリアーと特別モデルのトランススルーセントブルーがありますが、今回はブラックを選びました。

付属品はイヤホン本体のほかにキャリングケースと交換用イヤーピース数種類です。イヤーピースは普通のシリコン製のものと、SHUREオリジナルの遮音性の高いウレタン製があります。

このイヤホンの1番やっかいなところが、コードが無駄に長くて太いので取り回しがとんでもなく悪いところ。この長さと太さは海外仕様なのかわかりませんが、日本で使うにはあまり向いていません。

コードを巻いてみるとこんな感じ。こうしてみると太さがよく分かります。無駄に太くて硬く長さもあるのでタッチノイズが酷い。とにかくかさばるので、持ち運びにとても不便です。

ちなみに、このイヤホンもSHUREのイヤホンにはおなじみのMMCX端子を搭載しているので、対応ケーブルを購入すれば簡単にリケーブルできます。不便さを解消するためにもリケーブルは必須かと思います。

イヤホン本体部分の大きさは耳にスッポリ入るくらいのサイズなので、イヤーチップさえ合えばフィット感は抜群です。ちなみに筆者ははじめから備え付けられていた標準的なMサイズのイヤーチップを使っています。

音の傾向としては解像度の高い繊細な音質と言うよりは、重低音の量が多めの元気の良い音でロックやポップ向けのチューニングです。イヤホンの形状的にはバランスドアーマチュア型のような顔をしていますが、ダイナミック型の振動板を採用しているので、それが音の傾向にも出ているように思います。

これよりも高価格な数万円クラスのカナル型イヤホンと比べると、解像度の高さが足りず繊細な表現が得意でないという点で、やはり音質的にはワンランクもツーランクも劣るという印象。普段は数万円クラスのバランスドアーマチュア型を使っている筆者としては、それと比較すると音がこもっているような印象を強く受けました。

音の立体感はこのクラスのイヤホンとしては悪くなく、イヤホン自体のサイズが小さめな割には十分に広がりが感じられるように思いましたが、一方で音の分離感はやはり複数のドライバーユニットを搭載したバランスドアーマチュア型と比べるといまいちメリハリがないし解像度も低いので、クリア感は皆無です。

というわけで、音質の面では総じて価格なりという評価です。SHUREならではの遮音性の高さは魅力ですが、音質だけ見るとコストパフォーマンスが特に高いイヤホンだとは思いません。1万円クラスのイヤホンを購入したことがない人にとっては、エントリーモデルとしては悪くないかもしれません。

今回は、遮音性が高くてそれなりに良い音で聴けるイヤホンが一台欲しかったので、SHUREのエントリーモデルであるこの「SE215」を買ってみたのですが、普段から数万円クラスのイヤホンの音質に慣れている自分としては、さすがにこの音では使う気にはなれないかな…と感じました。

ノイズキャンセリングイヤホンに近いくらいの遮音性の高さは捨てがたいですが、上位機種と比べてここまで音質の差があると、さすがに妥協したくない気がしてきました。通勤電車など騒音の多い環境でイヤホンを使う時間が長い人にとっては、サブとしてならアリかもしれません。

ただし、上にも述べたようにケーブルの取り回しの悪さが最悪なところには注意が必要です。付属ケーブルではあまりにも不便なので、実質的に交換用ケーブルの購入は避けて通れません。リケーブル代金も込みでこのイヤホンの価格を考える必要があると思います。

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